学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §5 診察各論 聴診 / QJ26P030

理由で解く 柔道整復師

QJ26P030 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問30
問題
聴診で正しいのはどれか。
選択肢
1 聴診では直接法を用いることが一般的である。
2 高周波数の音を聴く時にはベル型を用いる。
3 胸部の異常呼吸音ではグル音に注意する。
4 Ⅱ音は半月弁によって発生する。
解答
正解4(Ⅱ音は半月弁によって発生する。)
解説

心音は弁が閉じるときの振動として聴かれ、房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖がI音、半月弁(大動脈弁・肺動脈弁)の閉鎖がII音です。選択肢4は心音の番号に転記上のゆらぎがあり、原本では「II音は半月弁によって発生する。」であったと考えられますが、公表された受理集合が[[4]]であるため、本ページでも4に✓を付けています。掲載されている文字どおりの「I音=半月弁」は医学的には誤りなので、必ず下の正しい対応で覚えてください。

聴診は聴診器を介する間接法が標準で、膜型は高調な音(I音・II音、大動脈弁閉鎖不全の拡張期雑音、呼吸音)に、ベル型は低調な音(III音・IV音、僧帽弁狭窄の拡張期ランブル)に適しています。ベル型は皮膚に軽く当てるのがこつで、強く押しつけると膜型に近い特性になり低音が拾えなくなります。心周期では、心室収縮の開始とともに房室弁が閉じてI音、心室収縮が終わって半月弁が閉じてII音が生じ、I音は心尖部で、II音は心基部(第2肋間胸骨左右縁)でよく聴かれます。この「房室弁の閉鎖=I音、半月弁の閉鎖=II音」という対応は心雑音の理解の土台になるので、必ず組で覚えます。胸部の聴診では呼吸音とラ音を、腹部の聴診では腸雑音(グル音)を評価する、と部位ごとに聴く対象を分けて整理しておきます。

✓ 4. 正しい(公表された正答)
Ⅱ音は半月弁によって発生する。
この肢は原本では「II音は半月弁によって発生する。」であったと考えられ、選択肢文の心音番号は転記上のゆらぎです。医学的に正しい対応は「半月弁(大動脈弁・肺動脈弁)の閉鎖=II音/房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖=I音」で、掲載文のままの「I音=半月弁」は誤りです。公表された受理集合が[[4]]であるため採点上はこの肢が正答となりますが、覚えるべきなのは「半月弁=II音、房室弁=I音」の組であることに注意してください。
✗ 1. 誤り
聴診では直接法を用いることが一般的である。
直接法(耳を体表に当てる)は歴史的な方法で、現在は聴診器を用いる間接法が一般的です。間接法は音を選択的に増幅でき、部位を限定して聴けます。
✗ 2. 誤り
高周波数の音を聴く時にはベル型を用いる。
高周波数の音には膜型を用います。ベル型は低周波数の音(III音・IV音、僧帽弁狭窄の拡張期ランブル)に適し、皮膚に軽く当てて聴きます。
✗ 3. 誤り
胸部の異常呼吸音ではグル音に注意する。
グル音は腸蠕動音で、腹部の聴診で評価します。胸部の異常呼吸音として注意するのは連続性ラ音(いびき音・笛音)と断続性ラ音(水泡音・捻髪音)です。
ポイント
  • 房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖=I音、半月弁(大動脈弁・肺動脈弁)の閉鎖=II音。組で覚える。
  • 選択肢4は「II音は半月弁によって発生する。」の転記ゆらぎと考えられる。掲載文どおりの「I音=半月弁」は医学的には誤り。
  • I音は心尖部、II音は心基部(第2肋間胸骨縁)でよく聴取される。
  • 膜型=高調な音、ベル型=低調な音(III音・IV音、僧帽弁狭窄のランブル)。ベル型は軽く当てる。
  • 聴診は聴診器を用いる間接法が標準。グル音(腸雑音)は腹部の聴診で、胸部の異常音は連続性ラ音・断続性ラ音で整理する。
比較表
心音発生源タイミングよく聴ける部位
I音房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖心室収縮の開始心尖部
II音半月弁(大動脈弁・肺動脈弁)の閉鎖心室収縮の終了心基部(第2肋間胸骨縁)
III音急速流入期の心室壁振動拡張早期心尖部(ベル型)
IV音心房収縮による心室壁振動拡張末期心尖部(ベル型)
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