学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ26P028
理由で解く 柔道整復師
正しい組合せは樽状胸と慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。樽状胸は肺が過膨張して胸郭の前後径が増した状態で、COPDの身体所見として典型的に現れる。
胸郭変形は大きく2群に分けて覚えると整理しやすい。1つは胸骨・肋軟骨の発育の問題によるもので、胸骨下部が陥凹する漏斗胸と、胸骨が前方に突出する鳩胸がこれにあたる。もう1つは肺や全身状態を映すもので、樽状胸と扁平胸がこれにあたる。COPDでは末梢気道の閉塞と肺胞壁の破壊により呼気が吐き切れず、肺に空気が残る(エアトラッピング)。その結果、肺の容積が増して胸郭が前後方向に膨らみ、肋骨は水平化し、横隔膜は押し下げられて平低化する。横隔膜が平低化すると収縮しても胸腔が広がりにくくなるため、胸鎖乳突筋をはじめとする呼吸補助筋に頼るようになり、その発達が目立つ。これとは別の機序として、呼気時に末梢気道が虚脱しやすいため、口をすぼめて呼気時の気道内圧を保ち、空気を吐き出しやすくする口すぼめ呼吸がみられる。樽状胸は「肺がふくらんだまま戻らない」ことの結果と理解すれば、COPDと結びつけて記憶できる。施術の場面でこうした胸郭と呼吸パターンを認めたら、呼吸機能の評価と禁煙支援を含む管理が必要なため、内科での評価につなげる。
| 胸郭変形 | 形の特徴 | 代表的な原因 |
|---|---|---|
| 樽状胸 | 前後径が増大、肋骨水平化、横隔膜平低化 | 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)など肺の過膨張 |
| 漏斗胸 | 胸骨下部が陥凹 | 先天性の肋軟骨発育異常(結合組織疾患に伴うこともある) |
| 鳩胸 | 胸骨が前方に突出 | くる病、小児期からの慢性気道疾患(結合組織疾患に伴うこともある) |
| 扁平胸 | 前後径が短く平坦 | やせ型の体質、結核などの消耗性疾患 |
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