学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ26P027

理由で解く 柔道整復師

QJ26P027 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問27
問題
頸部の状態で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 翼状頸-クラインフェルター(Klinefelter)症候群
2 項部硬直一・パーキンソン(Parkinson) 病
3 頸部リンパ節腫脹-伝染性単核球症
4 痙性斜頸バセドウ (Basedow) 病
解答
正解3(頸部リンパ節腫脹-伝染性単核球症)
解説

伝染性単核球症はEpstein-Barrウイルスの初感染で、発熱・咽頭痛とともに頸部リンパ節腫脹を来すため、組合せとして正しいのは3です。

頸部の診察では、リンパ節・甲状腺・頸静脈・筋緊張・可動性を順に確認します。リンパ節腫脹は、痛みを伴い可動性のあるものは感染性(咽頭炎、伝染性単核球症、結核など)、硬く可動性に乏しく無痛のものは悪性腫瘍の転移を疑う、という区別が基本です。伝染性単核球症は思春期〜若年成人に多く、発熱・咽頭扁桃炎・頸部を中心とした全身のリンパ節腫脹の三徴に、肝脾腫、末梢血の異型リンパ球増加、肝逸脱酵素の上昇を伴います。脾腫がある時期は脾破裂の危険があるため、腹部への強い圧迫や接触を伴う運動は避けるよう伝えます。項部硬直は髄膜刺激徴候で髄膜炎やくも膜下出血を示唆し、発熱や激しい頭痛を伴えば緊急対応が必要です。

✓ 3. 正しい
頸部リンパ節腫脹-伝染性単核球症
EBウイルスの初感染で、発熱・咽頭痛・頸部リンパ節腫脹を三徴とします。肝脾腫や末梢血の異型リンパ球増加を伴い、組合せとして正しい肢です。
✗ 1. 誤り
翼状頸-クラインフェルター(Klinefelter)症候群
翼状頸はターナー症候群(45,X)の所見で、低身長・外反肘・卵巣形成不全を伴います。クラインフェルター症候群(47,XXY)は高身長・女性化乳房・精巣萎縮が特徴で、翼状頸は伴いません。
✗ 2. 誤り
項部硬直一・パーキンソン(Parkinson) 病
項部硬直は髄膜刺激徴候で、髄膜炎やくも膜下出血でみられます。パーキンソン病の頸部所見は歯車様の筋強剛と前傾前屈姿勢で、髄膜刺激徴候ではありません。
✗ 4. 誤り
痙性斜頸バセドウ (Basedow) 病
痙性斜頸は胸鎖乳突筋などの不随意収縮による局所ジストニアです。バセドウ病の頸部所見はびまん性の甲状腺腫大であり、対応しません。
ポイント
  • 伝染性単核球症=EBウイルス初感染。発熱・咽頭痛・頸部リンパ節腫脹+肝脾腫+異型リンパ球。
  • 翼状頸はターナー症候群(45,X)。クラインフェルター症候群(47,XXY)と取り違えない。
  • 項部硬直は髄膜刺激徴候。ケルニッヒ徴候・ブルジンスキー徴候とセットで髄膜炎・くも膜下出血を疑う。
  • 痙性斜頸は不随意運動(局所ジストニア)。筋性斜頸(胸鎖乳突筋の拘縮)とは別物。
  • リンパ節は「有痛・可動性=感染」「無痛・硬い・可動性不良=悪性を疑う」で振り分ける。
比較表
頸部所見対応する疾患要点
頸部リンパ節腫脹伝染性単核球症、咽頭炎、結核、悪性腫瘍転移痛み・硬さ・可動性で感染か腫瘍かを推定
翼状頸ターナー症候群低身長・外反肘を伴う
項部硬直髄膜炎、くも膜下出血髄膜刺激徴候、緊急性が高い
痙性斜頸ジストニア不随意な頸部の回旋・傾斜
びまん性甲状腺腫バセドウ病眼球突出・頻脈を伴う
頸静脈怒張右心不全、心タンポナーデ座位で怒張が残れば異常
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。