学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ27P022
理由で解く 柔道整復師
頭部を前に垂れ、体幹をやや前屈し、肘と膝を軽く曲げた「前傾前屈姿勢」は、パーキンソン(Parkinson)病を代表する姿勢異常です。姿勢そのものが診断の手がかりになる、数少ない神経疾患のひとつです。
パーキンソン病では中脳黒質緻密部のドパミン作動性神経細胞が変性・脱落し、線条体のドパミンが不足します。その結果、大脳基底核から視床・大脳皮質への運動調節がうまくいかなくなり、四大徴候(安静時振戦・筋強剛・無動/寡動・姿勢反射障害)が現れます。筋強剛は屈筋群に強く出やすく、これに姿勢反射障害が加わることで、頭部前屈・体幹前屈・肘関節と膝関節の軽度屈曲という独特の前かがみ姿勢が完成します。姿勢が前方に傾いたまま重心を立て直せないため、小刻み歩行・すくみ足・突進現象を伴い、転倒の危険が高くなります。つまり「なぜ前かがみか」は、屈筋優位の筋強剛で身体が丸まり、姿勢反射障害でそれを戻せないから、と理解すると忘れません。
| 疾患 | 特徴的な姿勢・肢位 | 背景にある機序 |
|---|---|---|
| パーキンソン病 | 前傾前屈姿勢(頭部前屈・体幹前屈・肘/膝の軽度屈曲) | 線条体ドパミン不足による屈筋優位の筋強剛+姿勢反射障害 |
| 破傷風 | 後弓反張(弓なりに反る)、開口障害、痙笑、項部硬直 | 毒素による抑制性介在ニューロンの遮断=全身強直 |
| 被殻出血 | 対側の片麻痺、慢性期のウェルニッケ-マン肢位(上肢屈曲・下肢伸展)、病巣側への共同偏視 | 内包を巻き込む片側性の錐体路障害 |
| クッシング病 | 中心性肥満・満月様顔貌・野牛肩(骨粗鬆症により円背を伴うことがある) | ACTH過剰によるコルチゾール過剰 |
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