学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §7 リハビリテーションの実際 / QJ27P020

理由で解く 柔道整復師

QJ27P020 リハビリテーション医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問20
問題
脳卒中のリハビリテーション治療で正しいのはどれか。
選択肢
1 ポジショニングはできるだけ早期に開始する。
2 寝返りができない患者では約4時間おきに体位変換する。
3 関節拘縮を防ぐため週3回の関節可動域訓練が必要である。
4 中等度の意識障害があっても座位訓練を行う。
解答
正解1(ポジショニングはできるだけ早期に開始する。)
解説

脳卒中では、全身状態が許す範囲でできるだけ早期にリハビリテーションを始めます。中でもポジショニング(良肢位保持)はベッド上で直ちに開始でき、廃用症候群予防の第一歩になります。正答は1。

急性期に安静を続けると、関節拘縮・筋萎縮・褥瘡・深部静脈血栓症・沈下性肺炎・起立性低血圧といった廃用症候群が数日単位で進みます。これを防ぐのが早期リハビリテーションの目的です。ポジショニングは特別な訓練時間や本人の協力を必ずしも要さず、意識障害があっても実施できるため、発症当日から始められる介入です。具体的には、麻痺側肩関節の亜脱臼と疼痛を防ぐために上肢を枕で支えて肩甲骨を前方に保ち、股関節の外旋を防ぐためにクッションで下肢を中間位に保ち、足底にクッションを当てて尖足を予防します。同時に他動的関節可動域訓練と体位変換を組み合わせ、意識と全身状態の改善に応じてギャッチアップ、端座位、立位へと段階的に進めます。

✓ 1. 正しい
ポジショニングはできるだけ早期に開始する。
拘縮・褥瘡・肩関節亜脱臼・尖足はいずれも早期から進行します。ポジショニングはベッド上で直ちに行えるため、発症当日から開始し、2時間以内ごとの体位変換と組み合わせます。
✗ 2. 誤り
寝返りができない患者では約4時間おきに体位変換する。
褥瘡予防の体位変換は2時間以内ごとが原則です。体圧分散マットレスを使う場合でも間隔を延ばす上限は4時間とされ、4時間おきを標準にすると仙骨部や踵部の発赤が進みます。除圧のたびに皮膚の発赤の有無を確認します。
✗ 3. 誤り
関節拘縮を防ぐため週3回の関節可動域訓練が必要である。
拘縮は数日で進行するため、週3回では間隔が空きすぎます。原則は毎日、1日1〜2回、各関節を全可動域にわたり10回程度ゆっくり動かします。痛みの出ない範囲で行い、家族にも方法を伝えて日常の中に組み込みます。
✗ 4. 誤り
中等度の意識障害があっても座位訓練を行う。
座位・離床を進める目安は、意識レベルがJCS1桁程度まで改善し、神経症状の進行がなく、血圧・呼吸が安定していることです。中等度以上の意識障害の段階では、まずポジショニング、他動的関節可動域訓練、呼吸理学療法を行い、状態の改善に合わせてギャッチアップから端座位へと段階的に進めます。
ポイント
  • 早期リハの目的は廃用症候群(拘縮・筋萎縮・褥瘡・深部静脈血栓症・沈下性肺炎・起立性低血圧)の予防。
  • ポジショニングは意識障害があっても行える介入。発症当日から開始する。
  • 体位変換は2時間以内ごと。除圧のたびに皮膚の発赤を確認する。
  • 関節可動域訓練は毎日、1日1〜2回、各関節10回程度が目安。
  • 離床(座位)はJCS1桁・神経症状の進行なし・バイタル安定を確認してから段階的に進める。
比較表
急性期脳卒中リハビリテーションの目安
項目本問の記述適切な目安
ポジショニング開始できるだけ早期に開始する発症当日から。全身状態が許せば直ちに開始(正しい)
体位変換の間隔約4時間おき2時間以内ごと(体圧分散用具併用でも4時間を超えない)
関節可動域訓練の頻度週3回毎日、1日1〜2回、各関節10回程度
座位訓練の開始条件中等度の意識障害があっても行うJCS1桁・神経症状の進行なし・バイタル安定を確認して段階的に
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