学習トップ理由で解く 柔道整復師関係法規 ▸ §1 患者の権利 / QJ27P002

理由で解く 柔道整復師

QJ27P002 関係法規

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問2
問題
個人情報保護法で正しいのはどれか。
選択肢
1 罰則規定がない。
2 プライバシー保護が目的である。
3 接骨院は個人情報取扱事業者である。
4 利用目的を特定する必要はない。
解答
正解3(接骨院は個人情報取扱事業者である。)
解説

接骨院も個人情報取扱事業者にあたる。2017年5月30日の改正法全面施行で「取り扱う個人情報が5,000人分以下なら適用除外」という線引きがなくなり、小規模な施術所も例外なく法の対象になった。

個人情報保護法の目的は、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護することであり、条文は「プライバシーの保護」という言葉で目的を書いてはいない。事業者に課される柱は、①利用目的をできる限り特定して通知・公表する、②特定した目的の範囲内で使う、③安全管理措置を講じる、④本人の同意なく第三者に提供しない、⑤本人からの開示・訂正・利用停止の求めに応じる、の5つである。違反して個人情報保護委員会の命令に従わない場合や、個人情報データベース等を不正な利益目的で提供した場合には罰則が科される。第27回が実施された2019年時点ではすでに改正法の施行後で、患者名簿や施術録を業務で検索できる形にしていれば、規模にかかわらず事業者として扱われる。

✓ 3. 正しい
接骨院は個人情報取扱事業者である。
氏名・生年月日・連絡先・受傷内容などを検索できるように整理して業務に使っていれば、個人情報データベース等を事業の用に供する者として個人情報取扱事業者になる。5,000人分以下の除外規定が撤廃された後は、開設したばかりの一人施術所でも同じ扱いになる。開設時にまず、利用目的の掲示、施術録の施錠保管、担当者以外が閲覧しない運用を整えておく。
✗ 1. 誤り
罰則規定がない。
個人情報保護委員会の命令に違反した場合、報告徴収に対して虚偽の報告をした場合、個人情報データベース等を不正な利益を図る目的で提供・盗用した場合などに罰則が定められている。行政の指導・勧告・命令という段階を踏む仕組みだが、最終的には刑事罰につながる法律である。
✗ 2. 誤り
プライバシー保護が目的である。
第1条が掲げる目的は「個人情報の適正かつ効果的な活用(有用性)に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること」であり、守る対象はプライバシーに限らない。むしろ、使ってはいけない法律ではなく、ルールを守れば活用してよいという設計になっている点が試験で狙われる。
✗ 4. 誤り
利用目的を特定する必要はない。
個人情報を取り扱うときは利用目的をできる限り特定し、あらかじめ公表しているか、取得後速やかに本人へ通知または公表しなければならない。施術所であれば「施術・施術録の作成」「療養費支給申請」「予約や来院の連絡」などを院内掲示や同意書に具体的に書き出し、それ以外に使うときは改めて同意を得る。
ポイント
  • 2017年5月30日の全面施行で5,000人分以下の適用除外が撤廃。規模を問わず接骨院は個人情報取扱事業者。
  • 目的(第1条)は「有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護すること」。プライバシー保護と言い切る選択肢は誤り。
  • 義務の柱は、利用目的の特定・通知公表/目的外利用の禁止/安全管理措置/第三者提供の制限/開示等の請求への対応。
  • 罰則はある。命令違反、虚偽報告、データベース等不正提供が代表例。
  • 要配慮個人情報(病歴など)は取得の時点で原則本人の同意が必要。施術所が扱う情報の多くがこれに近い性質をもつ。
比較表
つまずきやすい点実際の制度
法律の目的個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること(第1条)。条文は「プライバシー保護」とは書いていない
対象となる事業者2017年5月30日の全面施行で「5,000人分以下」の除外が廃止。小規模な接骨院も対象
利用目的できる限り特定し、通知または公表。目的外利用には原則として本人の同意が必要
罰則命令違反・虚偽報告・個人情報データベース等の不正提供などに罰則あり
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