学習トップ理由で解く 柔道整復師関係法規 ▸ §2 医療過誤とリスクマネジメント / QJ26P008

理由で解く 柔道整復師

QJ26P008 関係法規

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問8
問題
医療事故調査・支援センターの業務はどれか。
選択肢
1 医療事故の再発防止に関する普及啓発を行う。
2 患者又は家族からの医療における苦情又は相談に応ずる。
3 住民に対し医療の安全確保に関する必要な情報の提供を行う。
4 病院等の管理者又は従業者に医療の安全に関する研修を実施する。
解答
正解1(医療事故の再発防止に関する普及啓発を行う。)
解説

医療事故調査・支援センターは、医療機関から報告された医療事故調査の情報を整理・分析し、再発防止の普及啓発を行う全国に一つの機関。正解は1。残る3肢は名前の似た「医療安全支援センター」の業務である。

医療事故調査制度は医療法に基づき平成27年(2015年)10月に始まった。病院等の管理者は、医療に起因し管理者が予期しなかった死亡・死産が発生したら、遺族に説明したうえでセンターに報告し、院内で医療事故調査を行い、その結果もセンターに報告する。医療法が定めるセンターの業務は、①報告により収集した情報の整理・分析、②その結果の当該病院等への報告、③遺族等の依頼に基づく調査とその結果の報告、④医療事故調査に従事する者に対する研修、⑤調査の実施に関する相談・情報提供・支援、⑥医療事故の再発の防止に関する普及啓発、⑦その他医療の安全確保に必要な業務。個人の責任追及ではなく、集めた事例から学んで同種の事故を防ぐことが制度の目的である。一方、都道府県・保健所を設置する市・特別区が設ける医療安全支援センターは、住民や患者・家族に近い位置で苦情相談・情報提供・研修を担う。

✓ 1. 該当する
医療事故の再発防止に関する普及啓発を行う。
医療法が列挙するセンター業務そのもの。全国から集まった事例を整理・分析し、再発防止策として現場に還元するのが中核的な役割で、責任追及の機関ではない点が制度の要である。
✗ 2. 該当しない
患者又は家族からの医療における苦情又は相談に応ずる。
医療安全支援センター(都道府県・保健所設置市・特別区が設置)の業務。患者・家族の相談を受け、必要に応じて患者側にも医療機関側にも助言する窓口である。
✗ 3. 該当しない
住民に対し医療の安全確保に関する必要な情報の提供を行う。
対象が「住民」であることが手がかり。地域住民への情報提供は医療安全支援センターの業務で、医療事故調査・支援センターの相手方は主に医療機関と遺族である。
✗ 4. 該当しない
病院等の管理者又は従業者に医療の安全に関する研修を実施する。
医療安全支援センターの業務。医療事故調査・支援センターも研修は行うが、対象は「医療事故調査に従事する者」であり、病院の管理者・従業者一般への安全研修とは相手が異なる。
ポイント
  • 医療事故調査制度は医療法に基づき2015年(平成27年)10月開始。センターは全国に一つ(厚生労働大臣の指定)。
  • センター業務=情報の整理・分析/病院等への結果報告/依頼による調査と結果報告/調査に従事する者への研修/相談・支援/再発防止の普及啓発
  • 対象事故=医療に起因し、管理者が予期しなかった死亡・死産。遺族への説明とセンターへの報告、院内調査が管理者の義務。
  • 目的は責任追及ではなく再発防止
  • 「医療安全支援センター」は都道府県・保健所設置市・特別区が設ける相談窓口。名称が似ているので設置主体と相手方で見分ける。
比較表
医療事故調査・支援センター医療安全支援センター
設置厚生労働大臣が指定(全国に一つ)都道府県・保健所を設置する市・特別区
主な相手病院等の管理者、遺族患者・家族、地域住民、医療機関
中心業務報告事例の整理・分析、依頼による調査、再発防止の普及啓発苦情・相談への対応と助言、住民への情報提供
研修の対象医療事故調査に従事する者病院等の開設者・管理者・従業者
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