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理由で解く 柔道整復師

QJ26P007 関係法規

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問7
問題
法令において誤っているのはどれか。
選択肢
1 法律の制定には国会の議決が必要である。
2 柔道整復師法施行規則は政令である。
3 府令は内閣総理大臣(内閣府)が発する。
4 柔道整復師法は公法である。
解答
正解2(柔道整復師法施行規則は政令である。)
解説

「誤っているのはどれか」なので、各肢が正しいかを個別に判定します。この設問は2系統からできていて、肢1〜3は法令の形式(法律・政令・省令)・制定手続と制定者の対応肢4は公法/私法という法の分類を問うています。誤っているのは、柔道整復師法施行規則を政令とした肢2だけ。施行規則は政令ではなく厚生労働省令なので、これが答えです。

日本の法令は憲法を頂点に、法律(国会が議決)→政令(内閣が制定)→内閣府令・省令(内閣総理大臣・各省大臣が発する)という段階構造をとり、下位の法令は上位の法令に反する内容を定められません。この段階は名称にそのまま表れていて、「◯◯法」は法律、「◯◯法施行令」は政令、「◯◯法施行規則」は府令・省令、と読み分けられます。柔道整復師法(昭和45年法律第19号)も同じで、施行令が政令、施行規則が厚生労働省令(平成2年厚生省令第20号)にあたり、免許申請の様式や施術所の届出事項といった手続の細目は施行規則に置かれています。なお法令番号は制定当時の省庁名のまま固定されるため表示は「厚生省令」ですが、現在この省令を所管するのは厚生労働大臣で、改正は厚生労働省令として行われます。番号そのものの暗記価値は低いので、「令は内閣、規則は大臣」という対応をセットで覚えておきましょう。条文を引くときに施行令と施行規則のどちらを見ればよいかを迷わず判断できます。もう一方の軸である公法・私法は、行政と国民の関係を定めるのが公法/私人どうしの関係を定めるのが私法という切り分けで判定します。

✓ 2. これが答え(誤っている記述)
柔道整復師法施行規則は政令である。
施行規則は厚生労働大臣が発する厚生労働省令で、政令ではありません。政令にあたるのは内閣が閣議で決定する「柔道整復師法施行令」の方です。施行規則を政令と取り違えているのはこの肢だけなので、これを選びます。名称の末尾で「令=内閣がつくる政令」「規則=大臣がつくる省令」と切り分ける習慣をつけておきましょう。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
法律の制定には国会の議決が必要である。
この肢は法律の制定手続についての記述です。日本国憲法は国会を「国の唯一の立法機関」と定めており、法律案は原則として衆議院・参議院の両院で可決されて法律になります。柔道整復師法も国会の議決を経て成立した法律であり、記述として正しいので答えにはなりません。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
府令は内閣総理大臣(内閣府)が発する。
府令(内閣府令)は内閣府の長である内閣総理大臣が発する命令で、各省大臣が発する省令と同じ階層に位置します。形式と制定者の対応が合っているので答えにはなりません。「府令=内閣総理大臣」「省令=各省大臣」「政令=内閣」の3点を並べて確認しておくと、肢2との違いがはっきりします。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
柔道整復師法は公法である。
この肢だけは法令の形式や制定者ではなく、公法・私法という別の軸の分類問題です。公法は国・地方公共団体と国民との関係や行政の権限を規律する法で、私人どうしの関係を扱う私法(民法・商法など)と対比されます。柔道整復師法は免許の付与と取消し、業務の範囲、施術所への監督といった行政と国民の関係を定めているため公法に分類され、記述として正しいので答えにはなりません。医師法や保健師助産師看護師法も同じ公法です。
ポイント
  • 法令の段階:憲法 > 法律(国会の議決)> 政令(内閣・閣議決定)> 内閣府令・省令(内閣総理大臣/各省大臣)。下位の法令は上位に反する定めを置けない。
  • 名称で見分ける:「◯◯法」=法律、「◯◯法施行令」=政令、「◯◯法施行規則」=府令・省令。合言葉は「令は内閣、規則は大臣」。
  • 柔道整復師法まわり:柔道整復師法=法律(昭和45年法律第19号)/柔道整復師法施行令=政令/柔道整復師法施行規則=厚生労働省令(平成2年厚生省令第20号)。番号より「法律・政令・省令」の対応を優先して覚える。法令番号は制定当時の省庁名のまま固定されるため表示は「厚生省令」だが、現在の所管は厚生労働大臣。
  • 調べる入口を決めておく:業務の範囲・免許の要件・罰則は法律本体、申請書の様式や届出の記載事項など手続の細目は施行規則を見る。
  • 公法と私法:行政と国民の関係を定めるのが公法(柔道整復師法・医師法・保健師助産師看護師法など)、私人間の関係を定めるのが私法(民法・商法など)。形式(法律・政令・省令)とは別軸の分類。
比較表
法令の形式制定する主体・手続柔道整復師法での例
法律国会の議決(衆議院・参議院で可決)柔道整復師法(昭和45年法律第19号)
政令内閣(閣議決定)柔道整復師法施行令
内閣府令内閣総理大臣(内閣府の長として)―(柔道整復師関係は厚生労働省の所管)
省令各省大臣(ここでは厚生労働大臣)柔道整復師法施行規則(平成2年厚生省令第20号)
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