学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §3 感染症 / QJ27A118

理由で解く 柔道整復師

QJ27A118 衛生学・公衆衛生学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問118
問題
感染経路と感染症の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 空気感染-インフルエンザ
2 産道感染-先天性風疹症候群
3 接触感染-梅毒
4 飛沫感染-麻疹
解答
正解3(接触感染-梅毒)
解説

梅毒は性的接触により皮膚・粘膜の微小な傷から病原体が侵入する接触感染。よって3が正しい組合せ。

感染経路は、飛沫感染(直径5μmを超える水滴が約1〜2mの範囲で落下する)、空気感染=飛沫核感染(5μm以下の粒子が乾燥して長時間浮遊し、遠くまで届く)、接触感染(直接・間接)、経口感染、媒介動物による感染、血液感染、母子感染に整理する。空気感染するのは結核・麻疹・水痘の3つ、と覚えるのが定石で、これだけは陰圧室やN95マスクといった特別な対策が要る。母子感染はさらに、胎盤を通る経胎盤感染(風疹、トキソプラズマ、梅毒、サイトメガロウイルス)、分娩時に産道で受ける産道感染(B型肝炎、HIV、単純ヘルペス、淋菌、クラミジア、B群溶血性連鎖球菌)、母乳を介する母乳感染(HTLV-1、HIV)の3つに分けて覚えると混乱しない。なお、創傷から病原体が入る感染をひとまとめに「接触」と考えると誤りやすい。破傷風は土壌中の芽胞が傷口から侵入する経皮(創傷)感染であり、ヒトからヒトへは伝播しないので、接触感染の代表例には含めない。

✗ 1. 誤り
空気感染-インフルエンザ
インフルエンザは飛沫感染が主体(接触感染も加わる)。空気感染する代表は結核・麻疹・水痘の3つで、インフルエンザは含まれない。
✗ 2. 誤り
産道感染-先天性風疹症候群
風疹ウイルスは胎盤を通って胎児に移る経胎盤感染。妊娠初期の感染で白内障・心奇形・難聴という三徴が生じる。産道感染の代表はB型肝炎、HIV、単純ヘルペス、淋菌、クラミジアなど。
✓ 3. 正しい
接触感染-梅毒
梅毒トレポネーマは性的接触の際に皮膚・粘膜の微細な傷から侵入する接触感染。第1期の初期硬結・硬性下疳、第2期のバラ疹といった経過をたどる。母体から胎児への経胎盤感染(先天梅毒)もあり、近年は報告数が増加している。
✗ 4. 誤り
飛沫感染-麻疹
麻疹は空気感染(飛沫核感染)。感染力が非常に強く、同じ空間にいるだけで感染しうる。予防はMRワクチンの2回接種が基本で、接触後72時間以内の緊急接種という手段もある。
ポイント
  • 空気感染するのは結核・麻疹・水痘の3つ(「ケッカク・マシン・ミズボウソウ」)
  • 飛沫感染:インフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎、百日咳、髄膜炎菌、マイコプラズマ
  • 接触感染:梅毒・淋菌感染症などの性感染症、MRSA、疥癬、伝染性膿痂疹(とびひ)
  • 破傷風は接触感染ではない。土壌中の芽胞が創傷から侵入する経皮(創傷)感染で、ヒトからヒトへはうつらない
  • 母子感染は経胎盤/産道/母乳の3つに分けて整理する
  • 経胎盤=風疹・トキソプラズマ・梅毒・サイトメガロ/産道=B型肝炎・HIV・ヘルペス・淋菌・クラミジア/母乳=HTLV-1・HIV
  • 空気感染だけは陰圧室・N95マスクなど特別な対策が必要
比較表
経路粒子・仕組み代表的な疾患
空気感染(飛沫核)5μm以下、長時間浮遊結核、麻疹、水痘
飛沫感染5μm超、1〜2mで落下インフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎、百日咳
接触感染直接接触・器具などを介する間接接触梅毒、淋菌感染症、MRSA、疥癬、伝染性膿痂疹
経皮(創傷)感染土壌中の芽胞などが傷口から侵入(ヒト-ヒト伝播なし)破傷風、ガス壊疽
経胎盤感染胎盤を通過先天性風疹症候群、トキソプラズマ、先天梅毒
産道感染分娩時に産道で受けるB型肝炎、HIV、単純ヘルペス、クラミジア、GBS
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