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理由で解く 柔道整復師

QJ27A117 衛生学・公衆衛生学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問117
問題
我が国の医療保険制度で誤っているのはどれか。
選択肢
1 医療保険の制度は国民皆保険である。
2 医療給付は原則、現金給付の形をとる。
3 保険料に財源を求める社会保険方式である。
4 健康保険組合、共済組合などを保険者と呼ぶ。
解答
正解2(医療給付は原則、現金給付の形をとる。)
解説

この設問は「誤っているもの」を選ぶ形式。日本の医療給付は原則として現物給付、すなわち医療サービスそのものを受ける形をとるので、「現金給付」とする2が誤りであり、これが答えになる。

日本の医療保険は、被保険者が保険料を払っておき、受診時には窓口で一部負担金(原則3割、年齢等で1〜2割)を払うだけで診察・投薬・処置といった医療そのものを受けられる仕組みである。この形を現物給付といい、医療機関には後日、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会)を通じて診療報酬が支払われる。現金給付にあたるのは傷病手当金、出産育児一時金、埋葬料など。また海外での受療や治療用装具のように、いったん全額を支払って後から払い戻す療養費払いもある。柔道整復の施術は、患者が一部負担金だけを支払い、施術者が残りを保険者に請求する受領委任払いという取扱いになっており、患者から見れば現物給付に近い形で受けられる。

✗ 1. 正しい記述(設問の答えではない)
医療保険の制度は国民皆保険である。
昭和36年に国民皆保険が達成され、すべての国民が被用者保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度のいずれかに加入する。記述として正しいので、「誤っているもの」を選ぶこの設問の答えにはならない。
✓ 2. 誤り(これが設問の答え)
医療給付は原則、現金給付の形をとる。
原則は現物給付。窓口で一部負担金を払い、医療サービスそのものを受ける形である。現金給付は傷病手当金・出産育児一時金・埋葬料や、療養費払いといった例外的な場面に限られる。したがってこの記述が誤りであり、正解となる。
✗ 3. 正しい記述(設問の答えではない)
保険料に財源を求める社会保険方式である。
主財源は保険料で、これに公費と患者の一部負担が加わる。全額を税でまかなう税方式(英国のNHSなど)とは異なる。記述として正しい。
✗ 4. 正しい記述(設問の答えではない)
健康保険組合、共済組合などを保険者と呼ぶ。
保険者とは保険を運営し給付を行う主体で、健康保険組合、全国健康保険協会、共済組合、都道府県・市町村(国民健康保険)、後期高齢者医療広域連合などが該当する。加入者を被保険者と呼ぶ。記述として正しい。
ポイント
  • 医療給付の原則は現物給付(医療サービスそのもの)。窓口では一部負担金のみ
  • 現金給付の例:傷病手当金、出産育児一時金、埋葬料、療養費払い(海外療養費・治療用装具など)
  • 昭和36年に国民皆保険を達成
  • 財源は保険料中心の社会保険方式+公費+患者の一部負担
  • 保険者=運営主体、被保険者=加入者、保険医療機関=サービス提供側の三者関係
  • 柔道整復の施術は受領委任払い(患者は一部負担金のみ、施術者が保険者に請求)
比較表
現物給付現金給付
内容医療サービスそのもの(診察・投薬・処置・入院)お金の支給
患者の支払い窓口で一部負担金のみいったん全額支払い、後から支給される場合もある
具体例療養の給付、入院時食事療養費、訪問看護療養費傷病手当金、出産育児一時金、埋葬料、療養費払い
位置づけ原則例外的・補完的
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