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理由で解く 柔道整復師

QJ27A119 衛生学・公衆衛生学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問119
問題
金属器具に使用できない消毒薬はどれか。
選択肢
1 グルタラール
2 次亜塩素酸ナトリウム
3 消毒用エタノール
4 クロルヘキシジン
解答
正解2(次亜塩素酸ナトリウム)
解説

次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があるため、金属器具には使用できない。よって2。

消毒薬を選ぶときは、①どの微生物に効くか(抗菌スペクトル・消毒水準)、②対象物や人体を傷めないか、の2点を見る。次亜塩素酸ナトリウムはウイルスに強く、ノロウイルスやHBVにも有効で、高濃度なら芽胞にも一定の効果を示す。しかし金属を錆びさせ、有機物(血液・吐物)があると効力が大きく落ち、皮膚・粘膜への刺激も強い。そのため用途は金属器具ではなく、リネン・食器・環境表面・吐物や排泄物の処理に絞られる。金属器具を高水準で消毒したいときはグルタラールやフタラールを、日常的な清拭や手指には消毒用エタノールやクロルヘキシジンを選ぶ。芽胞まで確実に死滅させる必要があるなら、消毒ではなく高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)を用いるのが原則である。

✗ 1. 誤り
グルタラール
高水準消毒薬で、芽胞を含むほぼすべての微生物に有効。金属を腐食しないため、内視鏡や金属器具の浸漬消毒に用いられる。ただし人体には使えず、蒸気の粘膜刺激が強いので、換気・手袋・ゴーグル・専用容器の使用が必須。
✓ 2. 正しい
次亜塩素酸ナトリウム
金属腐食性があるため金属器具には不適。ノロウイルスやHBVに有効なので、リネン・食器・環境表面・吐物の処理に使う。有機物で失活しやすいので先に汚れを除いてから用い、酸性洗剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生するため単独使用と換気を守る。
✗ 3. 誤り
消毒用エタノール
70〜80%で用いる中水準消毒薬。速効性で残留せず、金属器具にも使える。手指消毒の主力だが、芽胞とノロウイルスには効きにくく、引火性があるので火気を避け、使用後に十分乾燥させてから通電機器を扱う。
✗ 4. 誤り
クロルヘキシジン
低水準消毒薬で刺激が少なく、手指・皮膚・器具に幅広く使える。金属腐食性はない。ただし粘膜への使用は避ける(アナフィラキシーの報告があるため)。芽胞・結核菌・多くのウイルス、一部のグラム陰性菌には無効。
ポイント
  • 次亜塩素酸ナトリウム=金属腐食性あり。金属器具には使わない
  • 次亜塩素酸の出番:ノロウイルス、吐物・排泄物、環境表面、食器・リネン、B型肝炎ウイルス
  • グルタラール=高水準。芽胞にも有効で金属器具・内視鏡に使えるが、人体には使えない
  • エタノール(中水準)・クロルヘキシジン(低水準)はどちらも金属に使用可
  • 次亜塩素酸は酸性洗剤と混ぜない(塩素ガス発生)。単独使用・換気を徹底する
  • 芽胞まで確実に処理するなら消毒ではなく高圧蒸気滅菌を選ぶ
比較表
消毒薬水準金属器具人体芽胞主な用途
グルタラール高水準×内視鏡・金属器具の浸漬
次亜塩素酸ナトリウム中水準×(腐食)△(刺激強)環境・食器・リネン・吐物処理
消毒用エタノール中水準×手指、皮膚、器具の清拭
クロルヘキシジン低水準○(粘膜は不可)×手指・皮膚・器具
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