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理由で解く 柔道整復師

QJ25A117 衛生学・公衆衛生学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問117
問題
垂直感染するのはどれか。
選択肢
1 麻しん
2 B型肝炎
3 インフルエンザ
4 ノロウイルス感染症
解答
正解2(B型肝炎)
解説

垂直感染(母子感染)を起こす代表がB型肝炎である。よって2。

感染経路は、母から子へ伝わる垂直感染(母子感染)と、それ以外の人から人・環境から人へ伝わる水平感染に大別される。垂直感染はさらに、胎盤を通って胎児に感染する経胎盤感染、分娩時に産道で血液・分泌物に触れて感染する産道感染、母乳を介する母乳感染に分けられる。B型肝炎ウイルスは主に産道感染で伝わり、新生児期に感染するとウイルスを排除しきれずキャリア化しやすいという性質がある。そのため妊婦のHBs抗原検査が行われ、陽性の母から生まれた児には出生直後から抗HBs人免疫グロブリンとB型肝炎ワクチンを投与して感染成立を防ぐ体制がとられている(2016年からはB型肝炎ワクチン自体が乳児の定期接種にもなった)。麻しん・インフルエンザ・ノロウイルスはいずれも空気・飛沫・接触や経口といった水平感染で広がるウイルスである。

✓ 2. 正しい
B型肝炎
B型肝炎ウイルスは血液・体液を介して伝わり、母子感染では主に分娩時の産道感染の形をとる。新生児が感染するとキャリア化しやすく、将来の慢性肝炎・肝硬変・肝細胞癌につながりうるため、妊婦健診でのHBs抗原検査と、陽性母体から生まれた児への免疫グロブリン+ワクチンによる予防が確立している。垂直感染の代表例として真っ先に挙がる。
✗ 1. 誤り
麻しん
麻しんは空気感染(飛沫核感染)で広がる水平感染の代表で、感染力が非常に強い。母子感染で問題になるのは同じ発疹性ウイルス疾患でも風しんであり、妊娠初期の感染で先天性風しん症候群(白内障・心奇形・難聴)を起こす。麻しんと風しんの取り違えに注意する。
✗ 3. 誤り
インフルエンザ
インフルエンザは飛沫感染と接触感染で広がる水平感染である。母子感染の経路をとる疾患ではない。予防はワクチン接種、咳エチケット、手洗いが中心となる。
✗ 4. 誤り
ノロウイルス感染症
ノロウイルスは汚染された二枚貝などの経口摂取、および患者の吐物・便を介した接触感染で広がる水平感染である。少量のウイルスで感染が成立し集団発生しやすいが、母子感染の経路はとらない。
ポイント
  • 垂直感染=母子感染。経胎盤・産道・母乳の3経路に分かれる。
  • B型肝炎は主に産道感染。新生児期の感染はキャリア化しやすい。
  • 母子感染予防:妊婦のHBs抗原検査+陽性母体児への抗HBs人免疫グロブリンとB型肝炎ワクチン。
  • 経胎盤の代表=風しん(先天性風しん症候群)・トキソプラズマ・梅毒・サイトメガロウイルス。母乳の代表=HTLV-1。
  • 麻しん(空気)・インフルエンザ(飛沫)・ノロウイルス(経口・接触)はいずれも水平感染。
比較表
大分類経路代表的な病原体・疾患
垂直感染(母子感染)経胎盤風しん(先天性風しん症候群)、トキソプラズマ、梅毒、サイトメガロウイルス、パルボウイルスB19
産道B型肝炎、HIV、クラミジア、淋菌、B群溶血性レンサ球菌
母乳HTLV-1、HIV
水平感染空気(飛沫核)麻しん、水痘、結核
飛沫インフルエンザ、風しん、流行性耳下腺炎、百日咳
接触・経口ノロウイルス、腸管出血性大腸菌、疥癬、伝染性膿痂疹
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