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理由で解く 柔道整復師

QJ27A112 衛生学・公衆衛生学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問112
問題
労働災害で正しいのはどれか。
選択肢
1 死亡災害は増加している。
2 休業4日未満は補償されない。
3 疲労と労働災害の発生は関係がない。
4 精神障害による認定件数は増加している。
解答
正解4(精神障害による認定件数は増加している。)
解説

業務による心理的負荷が原因の精神障害について、労災の請求件数・認定件数はいずれも増加が続いている。よって4が正しい。

労働災害による死傷者数・死亡者数は、労働安全衛生法の整備や機械の安全設計、安全衛生教育の普及によって長期的に大きく減ってきた。一方で、うつ病・適応障害といった精神障害の労災は増えている。平成23年に「心理的負荷による精神障害の認定基準」が示され、長時間労働、パワーハラスメント、仕事内容の急激な変化などが評価対象として明確になったことで、請求も認定も表面化しやすくなった。予防策としては、労働者50人以上の事業場に義務づけられたストレスチェック制度(平成27年12月施行)、長時間労働者への医師による面接指導、相談窓口の整備などがある。補償の面では、休業4日目以降は労災保険から休業補償給付が支給され、3日目までは事業主が労働基準法に基づいて休業補償を行う。

✗ 1. 誤り
死亡災害は増加している。
長期的には大きく減少している。昭和40年代には年間6,000人を超えていた労働災害死亡者数は、平成28年には約930人まで下がった。年ごとの小さな増減はあるが、傾向としては減少である。
✗ 2. 誤り
休業4日未満は補償されない。
補償される。休業1〜3日目は労災保険からではなく、事業主が労働基準法に基づいて平均賃金の60%を休業補償する。4日目以降が労災保険からの休業補償給付(給付基礎日額の60%)+休業特別支給金(20%)に切り替わる。
✗ 3. 誤り
疲労と労働災害の発生は関係がない。
関係がある。疲労が蓄積すると注意力・判断力・反応速度が落ち、ヒューマンエラーが増える。対策としては、時間外労働の上限管理、適切な休憩・仮眠の確保、勤務間インターバルの設定、交代勤務のシフト設計の見直しなどが有効。
✓ 4. 正しい
精神障害による認定件数は増加している。
業務上の心理的負荷による精神障害の労災認定は増加傾向にある。認定基準の明確化、職場のメンタルヘルスへの関心の高まり、ハラスメントの可視化が背景。脳・心臓疾患(過労死)の認定件数がおおむね横ばいであるのと対照的である。
ポイント
  • 労働災害の死亡者数・死傷者数は長期的に減少(平成28年の死亡は約930人)
  • 精神障害の労災請求・認定件数は増加傾向。長時間労働・ハラスメントが主な背景
  • 休業1〜3日目=事業主が平均賃金の60%を補償(労働基準法)
  • 休業4日目以降=労災保険から休業補償給付60%+休業特別支給金20%
  • 労働者50人以上の事業場にストレスチェック実施義務(平成27年12月〜)
  • 疲労蓄積は事故の危険因子。労働時間管理と休息確保が具体的な対策
比較表
休業日数補償する主体根拠法
1〜3日目事業主労働基準法平均賃金の60%
4日目以降労災保険(政府)労働者災害補償保険法給付基礎日額の60%+特別支給金20%
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