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理由で解く 柔道整復師

QJ27A113 衛生学・公衆衛生学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問113
問題
新規に人工透析を導入する原因となる疾患で最も多いのはどれか。
選択肢
1 糖尿病
2 肥満症
3 高血圧症
4 脂質異常症
解答
正解1(糖尿病)
解説

新規に透析を導入する原因疾患で最も多いのは糖尿病性腎症で、全体のおよそ4割を占める。よって1。

日本透析医学会の統計では、新規導入の原疾患は糖尿病性腎症が第1位、慢性糸球体腎炎が第2位、腎硬化症が第3位という並びが続いている。かつては慢性糸球体腎炎が最多だったが、平成10年に糖尿病性腎症が逆転して以来ずっと首位である。機序としては、高血糖が続くと糸球体の輸入細動脈が拡張して糸球体内圧が上がり、過剰濾過とメサンギウム基質の増加から糸球体硬化に至る。経過は微量アルブミン尿 → 持続性蛋白尿 → 腎機能低下 → 透析という順をたどるため、微量アルブミン尿の段階で見つけて血糖・血圧を管理することが重症化予防の要になる。一方、高齢化を反映して腎硬化症の比率は年々上昇しており、将来的な順位変動も注目されている。

✓ 1. 正しい
糖尿病
糖尿病性腎症が新規透析導入原因の約4割を占め第1位。糖尿病患者そのものの増加に加え、心血管イベントで亡くならずに腎症まで進む人が増えたことも背景にある。
✗ 2. 誤り
肥満症
肥満は糖尿病・高血圧を介して腎障害の下地をつくるが、原疾患として直接集計される割合はごく小さい。肥満関連腎症という病態はあるものの、上位を占めるものではない。
✗ 3. 誤り
高血圧症
高血圧が続いて腎の細動脈が硬化する腎硬化症は第3位。上位ではあるが最多ではない。高齢化に伴って比率は上昇傾向にある。
✗ 4. 誤り
脂質異常症
動脈硬化を進める危険因子ではあるが、単独で透析導入の原疾患となることはまれ。腎障害には高血圧・糖尿病を経由して間接的に関与する。
ポイント
  • 新規透析導入の原疾患:1位 糖尿病性腎症(約4割) > 2位 慢性糸球体腎炎 > 3位 腎硬化症
  • 平成10年に糖尿病性腎症が慢性糸球体腎炎を抜いて第1位になった
  • 糖尿病性腎症の進行:微量アルブミン尿 → 持続性蛋白尿 → 腎機能低下 → 透析
  • 早期発見の鍵は尿中微量アルブミンの測定(通常の尿蛋白定性では拾えない)
  • 重症化予防は血糖・血圧・脂質の管理、減塩、禁煙、適正体重の維持
  • 腎硬化症は高齢化を背景に比率が上昇中
比較表
順位原疾患背景となる病態
1位糖尿病性腎症(約4割)高血糖による糸球体内圧上昇・過剰濾過 → 糸球体硬化
2位慢性糸球体腎炎IgA腎症など、免疫を介した糸球体の慢性炎症
3位腎硬化症高血圧・加齢による腎細動脈の硬化
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