学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ27A090

理由で解く 柔道整復師

QJ27A090 運動学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問90
問題
後腹壁を形成するのはどれか。
選択肢
1 腹直筋
2 外腹斜筋
3 内腹斜筋
4 腰方形筋
解答
正解4(腰方形筋)
解説

後腹壁を構成するのは腰方形筋である。腹直筋は前壁、外腹斜筋・内腹斜筋は側壁(前外側壁)をつくる。

腹壁は前壁・側壁・後壁に分けて整理すると混乱しない。前壁の中心は腹直筋で、腹直筋鞘に包まれ正中では白線をつくる。側壁は外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の3層からなり、それぞれの腱膜が前方へ回り込んで腹直筋鞘を形成する。後壁は腰椎を軸として、腰方形筋・大腰筋・腸骨筋が並び、上方は横隔膜で胸腔と仕切られる。腰方形筋は腸骨稜と腸腰靱帯から起こり、第12肋骨と第1〜4腰椎の肋骨突起に停止し、腰神経叢(Th12〜L3)の支配を受ける。作用は腰椎の同側側屈と第12肋骨の下制(呼気の補助)で、片側が働けば骨盤を引き上げる(ヒップハイク)、両側が働けば骨盤と腰椎を安定させる。腰痛や骨盤の傾きを評価するときに押さえておきたい深部筋である。

✓ 4. 正しい
腰方形筋
腰椎の外側に位置し、腸骨稜から第12肋骨・腰椎肋骨突起へ張る方形の筋で、後腹壁を構成する。脊柱と骨盤・肋骨をつなぐため、体幹側屈や骨盤挙上のほか、呼気時に第12肋骨を引き下げて横隔膜の付着部を固定する働きもある。深部にあり触診しにくいので、動作分析と併せて評価する。
✗ 1. 誤り
腹直筋
恥骨結合・恥骨稜から起こり、第5〜7肋軟骨と剣状突起に停止する前壁の筋。腱画によって区切られ、体幹の屈曲と骨盤の後傾に働く。位置が腹部の前面なので、後腹壁の構成には関与しない。
✗ 2. 誤り
外腹斜筋
側壁の最外層をつくる筋。線維は外上方から内下方へ、ポケットに手を入れる向きに走り、体幹の屈曲・同側への側屈・反対側への回旋に働く。腱膜は鼠径靱帯や腹直筋鞘前葉をつくる。
✗ 3. 誤り
内腹斜筋
外腹斜筋の内側にある側壁の第2層で、線維の走行は外腹斜筋とほぼ直交する。体幹の屈曲・同側への側屈・同側への回旋に働く。外腹斜筋と組み合わせて斜めの回旋運動をつくるが、やはり後壁ではない。
ポイント
  • 後腹壁: 腰方形筋・大腰筋・腸骨筋(上方は横隔膜が仕切る)
  • 前壁: 腹直筋(+錐体筋)/側壁: 外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の3層
  • 腰方形筋 起始 腸骨稜・腸腰靱帯/停止 第12肋骨・L1〜L4肋骨突起/支配 腰神経叢(Th12〜L3)
  • 腰方形筋の作用: 腰椎の同側側屈、第12肋骨の下制(呼気補助)、骨盤の挙上
  • 側腹筋3層の腱膜が前方で合わさり、腹直筋鞘と白線をつくる
比較表
腹壁の区分構成する主な筋主な働き
前壁腹直筋、錐体筋体幹屈曲、骨盤後傾、腹圧の保持
側壁(前外側壁)外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋側屈・回旋、腹圧上昇(腹横筋は体幹の安定)
後壁腰方形筋、大腰筋、腸骨筋腰椎側屈、股関節屈曲、骨盤・腰椎の安定
上壁横隔膜吸気の主動作筋
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