学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ27A091

理由で解く 柔道整復師

QJ27A091 運動学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問91
問題
大腿骨に起始があるのはどれか。
選択肢
1 長腓骨筋
2 短腓骨筋
3 腓腹筋
4 ヒラメ筋
解答
正解3(腓腹筋)
解説

大腿骨から起始するのは腓腹筋である。長腓骨筋・短腓骨筋は腓骨から、ヒラメ筋は腓骨頭と脛骨から起こる。

下腿の筋は「どの骨から起こるか」で、膝関節をまたぐかどうかが決まる。腓腹筋は大腿骨の内側顆・外側顆の後面から内側頭・外側頭の2頭で起こり、ヒラメ筋と合流してアキレス腱となり踵骨隆起に停止する。大腿骨から起こるため膝関節と足関節の両方をまたぐ二関節筋で、膝屈曲と足関節底屈の両方に働き、膝を伸ばした立位で最も力を発揮する。一方ヒラメ筋は腓骨頭・腓骨後面上部と脛骨のヒラメ筋線から起こる単関節筋で、膝の角度に関係なく底屈に働き、立位保持を支える抗重力筋として持久的に活動する。長腓骨筋・短腓骨筋はいずれも腓骨の外側面から起こり、外果の後方を通って足の外反と底屈に働く(ともに浅腓骨神経支配)。「大腿骨から起こる下腿の筋は腓腹筋(および膝窩筋・足底筋)」とまとめて覚えておくと即答できる。

✓ 3. 正しい
腓腹筋
大腿骨の内側顆・外側顆から2頭で起始する。膝と足の2関節にまたがるため、膝を屈曲させると筋の張力が緩んで底屈力が落ちる。この性質を使い、膝伸展位と屈曲位で底屈力を比べれば、腓腹筋とヒラメ筋のどちらの関与が大きいかを分けて評価できる。
✗ 1. 誤り
長腓骨筋
起始は腓骨頭と腓骨外側面の上方2/3で、大腿骨ではない。腱は外果の後方を回って足底を斜めに横切り、内側楔状骨と第1中足骨底に停止する。足の外反・底屈に働き、足の横アーチを支える。
✗ 2. 誤り
短腓骨筋
起始は腓骨外側面の下方1/2で、やはり大腿骨には付かない。第5中足骨粗面に停止する。足関節の内反強制で第5中足骨基部裂離骨折(下駄骨折)が生じる際、この腱の牽引が関与するとされ、鑑別上も覚えておきたい。
✗ 4. 誤り
ヒラメ筋
起始は腓骨頭・腓骨後面上部と脛骨のヒラメ筋線で、大腿骨からは起こらない。膝をまたがない単関節筋なので、膝を曲げても底屈力が保たれるのが腓腹筋との大きな違いである。
ポイント
  • 腓腹筋の起始=大腿骨内側顆・外側顆 → 膝と足をまたぐ二関節筋(膝屈曲+足底屈)
  • ヒラメ筋の起始=腓骨頭・脛骨ヒラメ筋線 → 単関節筋(足底屈のみ)、立位保持の抗重力筋
  • 下腿三頭筋=腓腹筋2頭+ヒラメ筋。共通腱はアキレス腱、停止は踵骨隆起、支配は脛骨神経
  • 長腓骨筋・短腓骨筋はどちらも腓骨起始・浅腓骨神経支配で、足の外反+底屈に働く
  • 膝屈曲位で底屈力が落ちれば腓腹筋の関与が大きい、と機能から起始を逆算できる
比較表
起始停止またぐ関節支配神経
腓腹筋大腿骨内側顆・外側顆踵骨隆起(アキレス腱)膝+足脛骨神経
ヒラメ筋腓骨頭・腓骨後面上部、脛骨ヒラメ筋線踵骨隆起(アキレス腱)足のみ脛骨神経
長腓骨筋腓骨頭・腓骨外側面上方2/3内側楔状骨・第1中足骨底足のみ浅腓骨神経
短腓骨筋腓骨外側面下方1/2第5中足骨粗面足のみ浅腓骨神経
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