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理由で解く 柔道整復師

QJ27A084 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問84
問題
卵胞刺激ホルモンで正しいのはどれか。
選択肢
1 精子形成を促進する。
2 視床下部で合成される。
3 ライディッヒ細胞に作用する。
4 アンドロゲン合成を促進する。
解答
正解1(精子形成を促進する。)
解説

卵胞刺激ホルモン(FSH)は下垂体前葉から分泌される糖タンパクホルモンで、男性では精巣のセルトリ細胞に作用して精子形成を促進する

性腺の調節は「視床下部→下垂体前葉→性腺」の3段構えで動く。視床下部から拍動性に分泌されたGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が下垂体前葉を刺激し、FSHとLH(黄体形成ホルモン)が血中へ出る。男性では、FSHは精細管の壁にあるセルトリ細胞に作用し、アンドロゲン結合タンパクの産生などを通じて精細管内をテストステロン高濃度に保ち、精子形成を支える。これに対しLHは精細管の間にあるライディッヒ(間質)細胞に作用してテストステロン(アンドロゲン)合成を促す。女性では、FSHが卵胞の発育と顆粒膜細胞のエストロゲン産生を促し、LHが排卵の引き金と黄体形成を担う。フィードバックでは、セルトリ細胞(女性では顆粒膜細胞)から出るインヒビンがFSHの分泌を選択的に抑える点が特徴的である。「L=ライディッヒ(Leydig)、頭文字が同じ」「F=精子を育てる(Fostering)セルトリ」と結びつけると、FSHとLHの作用細胞を取り違えにくい。

✓ 1. 正しい
精子形成を促進する。
FSHはセルトリ細胞の受容体に結合し、精細管内の環境を整えて精子形成(精子発生)を進行させる。女性における卵胞発育の促進と対応する働きであり、男女とも「配偶子をつくる側」を担当すると理解すると一貫する。
✗ 2. 誤り
視床下部で合成される。
FSHが合成・分泌されるのは下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞である。視床下部で合成されるのは、その分泌を促すGnRHのほうである。「〜放出ホルモン(〜RH)は視床下部、〜刺激ホルモンは下垂体前葉」と語尾で階層を判別できる。ただし胎盤由来のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)は名前に「刺激ホルモン」を含みながら下垂体前葉由来ではない例外なので、これだけは別枠で覚える。
✗ 3. 誤り
ライディッヒ細胞に作用する。
ライディッヒ細胞に作用するのはLHである。FSHの標的はセルトリ細胞で、両者は同じ精巣内でも位置(間質か精細管壁か)も働きも異なる。精巣の断面図で「間質=LH、精細管の壁=FSH」と場所ごと押さえると確実になる。
✗ 4. 誤り
アンドロゲン合成を促進する。
テストステロンなどのアンドロゲン合成を直接促すのはLHである。FSHはセルトリ細胞のアロマターゼを介してテストステロンをエストロゲンへ変換する側に関与するため、むしろアンドロゲン合成の担当とは区別して覚える。
ポイント
  • FSH・LHはいずれも下垂体前葉から分泌され、視床下部のGnRHがその上位にある。
  • 男性:FSH→セルトリ細胞→精子形成の促進、LH→ライディッヒ細胞→テストステロン合成。
  • 女性:FSH→卵胞発育・エストロゲン産生、LH→排卵と黄体形成。
  • 「〜RH=視床下部、〜刺激ホルモン=下垂体前葉」が原則。hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)は胎盤・絨毛由来の例外で、この原則から外れる。
  • インヒビン(セルトリ細胞・顆粒膜細胞由来)はFSH分泌を選択的に抑制する。
  • FSH・LH・TSH・hCGは共通のα鎖をもつ糖タンパクホルモンで、β鎖の違いが作用の特異性を決める。
比較表
項目FSH(卵胞刺激ホルモン)LH(黄体形成ホルモン)
分泌部位下垂体前葉下垂体前葉
男性の標的細胞セルトリ細胞ライディッヒ細胞
男性での作用精子形成の促進テストステロン(アンドロゲン)合成の促進
女性の標的・作用顆粒膜細胞/卵胞発育・エストロゲン産生莢膜細胞・卵胞/排卵の誘発・黄体形成
抑制するホルモンインヒビン(選択的に抑制)エストロゲン・プロゲステロンによる負のフィードバック
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