学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §10 生殖 / QJ27A085
理由で解く 柔道整復師
妊娠初期に分泌が急増して最大となるのはヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)である。エストロゲン・プロゲステロン・プロラクチンはいずれも妊娠末期に向けて増え続ける。
受精卵が着床すると、絨毛の合胞体栄養細胞がhCGを分泌し始める。hCGは名前に「刺激ホルモン」を含むが下垂体前葉由来ではなく、胎盤(絨毛)でつくられる点がまず重要である。hCGはLHとよく似た構造・作用をもち、本来なら退縮するはずの黄体を妊娠黄体として維持させ、そこからのプロゲステロン・エストロゲン分泌を続けさせることで子宮内膜を保つ。分泌量は妊娠8〜10週ごろに最高となり、その後は急速に低下して以後は低い水準で推移する。これは、胎盤が十分に発達する妊娠10週前後を境に、プロゲステロン・エストロゲンの産生源が黄体から胎盤へ移る(黄体-胎盤移行)ためで、hCGによる黄体の下支えが不要になるからである。血中・尿中に早期から出現するので妊娠反応の指標に使われるのもこの立ち上がりの早さによる。一方、胎盤由来のプロゲステロンとエストロゲンは妊娠期間を通じて増加し続け、分娩直前に最大となる。プロラクチンも妊娠中に漸増するが、高濃度のエストロゲン・プロゲステロンが乳腺への作用を抑えているため、実際の乳汁分泌は分娩後にこれらが急減してから始まる。「初期の主役はhCG、末期の主役はプロゲステロン・エストロゲン、産後の主役はプロラクチンとオキシトシン」と時間軸で並べると混同しない。
| ホルモン | 主な産生源 | 分泌が最大となる時期 | 主な働き |
|---|---|---|---|
| hCG | 絨毛(合胞体栄養細胞) | 妊娠初期(8〜10週ごろ) | 妊娠黄体の維持、妊娠反応の指標 |
| プロゲステロン | 妊娠黄体→胎盤 | 妊娠末期 | 子宮筋の収縮抑制・妊娠の維持 |
| エストロゲン | 妊娠黄体→胎盤 | 妊娠末期 | 子宮の発育、分娩準備 |
| プロラクチン | 下垂体前葉 | 分娩前後〜授乳期 | 乳腺発育と乳汁産生 |
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