学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ27A075

理由で解く 柔道整復師

QJ27A075 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問75
問題
下垂体で合成されるホルモンはどれか。
選択肢
1 アドレナリン
2 オキシトシン
3 甲状腺刺激ホルモン
4 コルチゾール
解答
正解3(甲状腺刺激ホルモン)
解説

下垂体で合成されるのは甲状腺刺激ホルモン(TSH)である。後葉から放出されるホルモンは視床下部で合成される点が、この設問の勘所である。

下垂体前葉は腺組織で、成長ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンの6種を自ら合成・分泌する。これに対し下垂体後葉は神経組織であり、オキシトシンとバソプレシン(抗利尿ホルモン)は視床下部の室傍核・視索上核にある神経細胞体で合成され、軸索の中を運ばれて後葉に貯蔵され、そこから血中へ放出される。したがって後葉ホルモンは「放出部位は下垂体だが、合成部位は視床下部」となる。設問が「合成」を問うのか「分泌・放出」を問うのかで正解が変わる典型的な出題なので、問題文の動詞を必ず確認してから選択肢を読む習慣をつけたい。

✓ 3. 正しい
甲状腺刺激ホルモン
下垂体前葉で合成・分泌される糖蛋白ホルモン。甲状腺を刺激して甲状腺ホルモン(T3・T4)の産生・分泌を促し、甲状腺ホルモンによるネガティブフィードバックを受ける。
✗ 1. 誤り
アドレナリン
副腎髄質のクロム親和性細胞で合成・分泌されるカテコールアミンである。交感神経節前線維の支配を受け、ストレス時に心拍数増加・血糖上昇などをもたらす。下垂体は関与しない。
✗ 2. 誤り
オキシトシン
下垂体後葉から放出されるが、合成の場は視床下部の室傍核である。軸索輸送で後葉へ運ばれて貯蔵される。分娩時の子宮収縮と射乳反射を担う。「放出=後葉、合成=視床下部」の区別が問われている。
✗ 4. 誤り
コルチゾール
副腎皮質の束状層で合成されるステロイドホルモンである。下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって分泌が促されるという関係はあるが、合成部位は副腎皮質である。
ポイント
  • 下垂体前葉(腺組織)=GH・PRL・TSH・ACTH・LH・FSHを自ら合成・分泌する。
  • 下垂体後葉(神経組織)=オキシトシン・バソプレシンを貯蔵・放出するだけ。合成は視床下部(室傍核・視索上核)。
  • 「合成」を問うか「分泌・放出」を問うかで答えが変わる。設問の動詞を必ず確認する。
  • アドレナリン=副腎髄質、コルチゾール=副腎皮質束状層、アルドステロン=副腎皮質球状層。
  • 視床下部→下垂体前葉は血管(下垂体門脈系)、視床下部→後葉は神経(軸索輸送)でつながる。
比較表
ホルモン合成部位放出部位主な作用
甲状腺刺激ホルモン下垂体前葉下垂体前葉甲状腺ホルモンの分泌促進
オキシトシン視床下部(室傍核)下垂体後葉子宮収縮、射乳反射
バソプレシン視床下部(視索上核)下垂体後葉集合管での水再吸収促進
アドレナリン副腎髄質副腎髄質心拍数増加、血糖上昇
コルチゾール副腎皮質(束状層)副腎皮質糖新生促進、抗炎症、抗ストレス
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