学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §7 体温とその調節 / QJ27A071

理由で解く 柔道整復師

QJ27A071 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問71
問題
体温調節中枢の設定温度が上昇したときに生じるのはどれか。
選択肢
1 解熱
2 発汗
3 ふるえ
4 皮膚血管の拡張
解答
正解3(ふるえ)
解説

設定温度(セットポイント)が上がると、体は現在の体温を「低すぎる」と判断する。そのため熱を作る反応であるふるえが起こる。

感染などによりインターロイキン1をはじめとする内因性発熱物質が産生されると、視床下部でプロスタグランジンE2が作られ、体温調節中枢のセットポイントが引き上げられる。すると実際の体温はセットポイントより低いことになるので、熱産生を増やす反応(骨格筋の不随意な収縮=ふるえ/シバリング、アドレナリン分泌による代謝亢進)と、熱放散を減らす反応(皮膚血管の収縮、立毛、発汗の抑制)が同時に動員される。発熱の初期に強い寒気とともに体が震えるのはこのためで、体温が新しいセットポイントに達すると震えは止まる(極期)。その後セットポイントが元に戻る解熱期には、今度は体温が高すぎることになるので、発汗と皮膚血管拡張によって熱を逃がす。発熱の各時期でどちらの反応が優位かを流れで捉えておくとよい。

✓ 3. 正しい
ふるえ
骨格筋のリズミカルな不随意収縮によって熱を産生する反応(シバリング)。セットポイントが上がって「体温が足りない」状態になったときに動員される代表的な熱産生反応であり、悪寒戦慄として自覚される。
✗ 1. 誤り
解熱
解熱はセットポイントが元の高さに「下がった」ときに起こる現象である。セットポイントが上昇している段階では体温はむしろ上がっていくため、この設問の状況には当てはまらない。
✗ 2. 誤り
発汗
汗の気化熱で熱を逃がす熱放散反応であり、体温がセットポイントより高いときに起こる。セットポイント上昇時には逆に発汗は抑制される。解熱期に大量の発汗がみられるのはこの理屈による。
✗ 4. 誤り
皮膚血管の拡張
皮膚血流を増やして体表から熱を逃がす熱放散反応である。セットポイント上昇時には熱を逃がしたくないので、皮膚血管はむしろ収縮し、顔色が悪く手足が冷たくなる。
ポイント
  • 体温調節中枢は視床下部。セットポイント上昇=発熱の始まり。
  • セットポイントが上がると「体温が足りない」と判断 → 熱産生↑(ふるえ)+熱放散↓(皮膚血管収縮・立毛・発汗抑制)
  • 発熱物質(IL-1など)→ 視床下部でプロスタグランジンE2産生 → セットポイント上昇。
  • 解熱期はセットポイントが下がる → 発汗・皮膚血管拡張で熱を逃がす。
  • 熱産生の主な担い手は骨格筋(ふるえ)と肝臓。熱放散は輻射・伝導・対流・蒸発による。
比較表
時期セットポイントと体温の関係起こる反応自覚症状
発熱初期(上昇期)セットポイント > 体温ふるえ、皮膚血管収縮、立毛、発汗抑制悪寒、戦慄、手足の冷え
極期セットポイント = 体温ふるえ停止、高体温で安定熱感、倦怠感
解熱期セットポイント < 体温発汗、皮膚血管拡張大量の発汗、暑さ
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