学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ27A070

理由で解く 柔道整復師

QJ27A070 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問70
問題
血漿膠質浸透圧への影響が大きいのはどれか。
選択肢
1 アルブミン
2 グルコース
3 グロブリン
4 ナトリウム
解答
正解1(アルブミン)
解説

血漿膠質浸透圧への影響が最も大きいのはアルブミンである。血漿蛋白の中で量が多く、しかも分子量が小さいため分子数が最も多くなる。

膠質浸透圧とは、毛細血管壁を通り抜けられない血漿蛋白が生み出す浸透圧のことで、およそ25mmHgである。浸透圧は溶質の「分子の数」で決まるので、血漿蛋白の約60%を占め、分子量が約66,000と比較的小さいアルブミンが全体の約80%を担うことになる。この圧は毛細血管で間質から水を血管内へ引き戻す力として働き、血圧に由来する静水圧との差し引きでろ過と再吸収のバランスが決まる(スターリングの法則)。したがって肝硬変やネフローゼ症候群でアルブミンが減ると水を引き戻せなくなり、間質に水が溜まって浮腫を生じる。低アルブミン血症と浮腫が結びつく理由まで押さえておくと、臨床系の科目にもそのまま使える。

✓ 1. 正しい
アルブミン
血漿蛋白の約60%を占め、分子量が小さいため分子数が多く、膠質浸透圧の約80%を担う。肝臓で合成され、脂肪酸・ビリルビン・薬物などの運搬体としても働く。減少すれば浮腫を生じる。
✗ 2. 誤り
グルコース
分子が小さく毛細血管壁を自由に通過するため、血漿と間質の間で濃度差が生じず、膠質浸透圧には寄与しない。血漿全体の浸透圧(結晶浸透圧)の一部を構成するにとどまる。
✗ 3. 誤り
グロブリン
血漿蛋白であり膠質浸透圧に寄与はするが、分子量が大きく濃度も低いため分子数が少なく、その寄与はアルブミンよりはるかに小さい。主な役割は免疫(γグロブリン=抗体)や物質輸送である。
✗ 4. 誤り
ナトリウム
血漿全体の浸透圧(約285mOsm/kg)の主役ではあるが、毛細血管壁を自由に通過するため血管内外で濃度差ができず、膠質浸透圧には寄与しない。細胞膜は通れないので細胞内外の水の移動には強く関与する。
ポイント
  • 膠質浸透圧(約25mmHg)=毛細血管壁を通れない血漿蛋白が生む浸透圧。
  • その約80%をアルブミンが担う(血漿蛋白の約60%を占め、分子量が小さく分子数が多いため)。
  • 膠質浸透圧は間質から血管内へ水を引き戻す力。静水圧との差でろ過・再吸収が決まる(スターリングの法則)。
  • 低アルブミン血症(肝硬変、ネフローゼ症候群、低栄養)では浮腫を生じる。
  • Na+やグルコースは毛細血管壁を通過するため膠質浸透圧には寄与しない(血漿全体の浸透圧=結晶浸透圧の主役はNa+)。
比較表
成分毛細血管壁の通過膠質浸透圧への寄与備考
アルブミン通れない最大(約80%)血漿蛋白の約60%、分子量約66,000
グロブリン通れない小さい分子量が大きく分子数が少ない
ナトリウム通過する寄与しない血漿全体の浸透圧の主役
グルコース通過する寄与しない高血糖時は血漿浸透圧を上げる
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