学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ27A037

理由で解く 柔道整復師

QJ27A037 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問37
問題
前十字靱帯が防ぐ脛骨の転位の方向で正しいのはどれか。
選択肢
1 外反
2 内反
3 前方
4 後方
解答
正解3(前方)
解説

前十字靱帯(ACL)は、大腿骨に対して脛骨が前方へずれるのを止める靱帯です。だから損傷すると前方引き出しテストが陽性になります。

ACLは脛骨の顆間隆起の前方から起こり、後外上方へ向かって大腿骨外側顆の内側面に付着します。走行が「前下方↔後上方」なので、脛骨が前へ滑ろうとするとロープのように張って制動します。逆に後十字靱帯(PCL)は脛骨の後方転位を止めます。前額面の動揺については、外反(外転)を内側側副靱帯が、内反(内転)を外側側副靱帯が受け持ちます。矢状面は十字靱帯、前額面は側副靱帯、という担当分けで整理してください。ACL損傷は着地・急停止・方向転換の際に膝が外反して下腿が外旋する非接触型で起こることが多く、受傷時のポップ音(断裂音)と数時間以内の関節血腫が典型です。徒手検査は前方引き出しテスト、ラックマンテスト、Nテスト(ピボットシフトテスト)を組み合わせます。判断に迷う腫脹の強い急性期では、無理に検査を繰り返さず患部を安静・冷却・圧迫・挙上したうえで整形外科医の診察につなぎましょう。

✓ 3. 正しい
前方
ACLは大腿骨に対する脛骨の前方転位を制動します。あわせて下腿の過度な内旋と膝関節の過伸展も抑えており、これらの動きが重なったときに損傷しやすくなります。
✗ 1. 誤り
外反
膝の外反(外転)を制動するのは内側側副靱帯です。外側から膝に力が加わる外反強制で損傷し、外反ストレステストが陽性になります。
✗ 2. 誤り
内反
膝の内反(内転)を制動するのは外側側副靱帯です。腸脛靱帯や膝窩筋腱も外側の安定に加わります。
✗ 4. 誤り
後方
脛骨の後方転位を制動するのは後十字靱帯です。膝を屈曲した状態で脛骨前面を後方へ打つダッシュボード損傷が典型で、後方引き出しテストや脛骨後方落ち込み徴候(サギング)で確認します。
ポイント
  • 前十字靱帯=脛骨の前方転位を制動。あわせて下腿内旋と膝過伸展を抑える
  • 後十字靱帯=脛骨の後方転位を制動(ダッシュボード損傷で受傷)
  • 内側側副靱帯=外反を制動/外側側副靱帯=内反を制動
  • ACLは脛骨顆間隆起前方 → 大腿骨外側顆の内側面へ走る
  • ACL損傷の徒手検査=前方引き出しテスト・ラックマンテスト・Nテスト。関節血腫を伴うことが多い
比較表
靱帯制動する脛骨の動き陽性となる検査
前十字靱帯(ACL)前方転位・内旋・過伸展前方引き出しテスト、ラックマンテスト、Nテスト
後十字靱帯(PCL)後方転位後方引き出しテスト、サギングサイン
内側側副靱帯(MCL)外反(外転)外反ストレステスト
外側側副靱帯(LCL)内反(内転)内反ストレステスト
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