学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ27A038

理由で解く 柔道整復師

QJ27A038 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問38
問題
各孔を通る神経と支配する筋の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 梨状筋上孔-大殿筋
2 梨状筋下孔・中殿筋
3 閉鎖孔-長内転筋
4 筋裂孔-双子筋
解答
正解3(閉鎖孔-長内転筋)
解説

閉鎖孔の上外側にある閉鎖管を閉鎖神経が通り、長内転筋をはじめとする内転筋群を支配します。組合せとして成立するのは3だけです。

骨盤から下肢へ出る通り道と、そこを通る神経・支配筋をセットで暗記します。鼠径靱帯の下は腸恥筋膜弓によって外側の筋裂孔と内側の血管裂孔に分かれます。筋裂孔を腸腰筋・大腿神経・外側大腿皮神経が通り、血管裂孔を大腿動脈・大腿静脈・リンパ管が通ります(血管裂孔には陰部大腿神経の大腿枝も加わりますが、これは大腿三角部の皮膚知覚を担う細い皮枝です)。この2つの裂孔は「筋裂孔の主役は大腿神経、血管裂孔の主役は大腿動静脈」と主役で覚えるのが確実です。大坐骨孔は梨状筋によって上下に分けられ、梨状筋上孔を上殿神経と上殿動静脈が、梨状筋下孔を下殿神経・坐骨神経・後大腿皮神経・陰部神経・内陰部動静脈が通ります。上殿神経の支配は中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋、下殿神経の支配は大殿筋です。「上は中殿筋・小殿筋、下は大殿筋」と唱えて覚えると、1と2のような入れ替え問題に強くなります。そして閉鎖孔は閉鎖膜でほぼ塞がれていますが、上外側部の閉鎖管だけが開いており、ここを閉鎖神経と閉鎖動静脈が通って内転筋群へ向かいます。

✓ 3. 正しい
閉鎖孔-長内転筋
閉鎖孔の上外側にある閉鎖管を閉鎖神経(腰神経叢、L2〜L4)が通り、長内転筋・短内転筋・大内転筋(前部)・薄筋・外閉鎖筋を支配します。閉鎖神経の障害では股関節の内転が弱くなり、大腿内側の感覚も低下します。
✗ 1. 誤り
梨状筋上孔-大殿筋
梨状筋上孔を通るのは上殿神経で、その支配は中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋です。大殿筋を支配するのは下殿神経(梨状筋下孔を通る)なので、孔と筋の対応がずれています。
✗ 2. 誤り
梨状筋下孔・中殿筋
梨状筋下孔を通る下殿神経の支配は大殿筋です。中殿筋は上殿神経(梨状筋上孔)の支配なので、選択肢1とちょうど入れ替わった形になっています。上殿神経麻痺では中殿筋が働かず、トレンデレンブルグ徴候が現れます。
✗ 4. 誤り
筋裂孔-双子筋
筋裂孔を通るのは大腿神経で、腸腰筋・大腿四頭筋・縫工筋・恥骨筋などを支配します。双子筋(上双子筋・下双子筋)は仙骨神経叢から出る枝(内閉鎖筋神経・大腿方形筋神経)に支配され、梨状筋下孔を経て殿部に達します。
ポイント
  • 閉鎖管=閉鎖神経・閉鎖動静脈 → 内転筋群(長内転筋・短内転筋・大内転筋前部・薄筋・外閉鎖筋)
  • 梨状筋上孔=上殿神経 → 中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋
  • 梨状筋下孔=下殿神経(大殿筋)・坐骨神経・後大腿皮神経・陰部神経
  • 筋裂孔=腸腰筋・大腿神経・外側大腿皮神経/血管裂孔=大腿動脈・大腿静脈・リンパ管(+陰部大腿神経大腿枝)
  • 覚え方=「上孔は中殿筋・小殿筋、下孔は大殿筋」。上殿神経麻痺でトレンデレンブルグ徴候
比較表
通り道通る神経その神経が支配する筋
筋裂孔大腿神経、外側大腿皮神経腸腰筋・大腿四頭筋・縫工筋
血管裂孔陰部大腿神経の大腿枝(皮枝)/主役は大腿動脈・大腿静脈・リンパ管—(皮枝のため支配筋なし)
梨状筋上孔上殿神経中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋
梨状筋下孔下殿神経、坐骨神経、陰部神経ほか大殿筋、下腿・足の筋、会陰の筋
閉鎖管閉鎖神経長内転筋・短内転筋・大内転筋(前部)・薄筋・外閉鎖筋
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