学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §37 生理学 / QJ27A009

理由で解く 柔道整復師

QJ27A009 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問9
問題
貪食作用を有するのはどれか。
選択肢
1 好塩基球
2 好酸球
3 単球
4 ナチュラルキラー(NK)細胞
解答
正解3(単球)
解説

単球は血中最大の白血球で、組織へ移行するとマクロファージに分化する。好中球と並ぶ代表的な食細胞(貪食細胞)である。

白血球を整理するコツは、「食べる細胞」か「出す細胞」かで分けることである。貪食を主な仕事にしているのは好中球・単球(マクロファージ)・樹状細胞で、細菌や異物、死んだ細胞を細胞内に取り込み、リソソームの酵素や活性酸素で分解する。単球は血管外へ出るとマクロファージへ分化し、貪食に加えて取り込んだ抗原の断片をT細胞へ提示する抗原提示という重要な役割も担う。これに対し好塩基球・好酸球は顆粒内の化学伝達物質や蛋白を放出して働き、NK細胞は標的細胞に細胞傷害性の分子を注入して殺す。いずれも「取り込んで消化する」働きが主役ではない。

✗ 1. 誤り
好塩基球
顆粒にヒスタミンやヘパリンを含み、IgEを介した刺激で脱顆粒してこれらを放出する。Ⅰ型アレルギーの発現に関わる「放出型」の細胞で、貪食は行わない。
✗ 2. 誤り
好酸球
寄生虫感染やアレルギー疾患で増加する。多少の取り込み能はあるとされるが、主たる働きは主要塩基性蛋白などの顆粒成分の放出による寄生虫の傷害であり、貪食細胞には位置づけられない。
✓ 3. 正しい
単球
白血球の中で最も大きく、血中を数日循環したのち組織へ入ってマクロファージに分化する。細菌・異物・老廃した細胞を積極的に取り込んで処理し、あわせて抗原提示も行う。貪食作用を有する細胞はこれである。
✗ 4. 誤り
ナチュラルキラー(NK)細胞
大型顆粒リンパ球に分類され、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞をパーフォリンやグランザイムで傷害する自然免疫の細胞である。標的を殺すが、取り込んで消化するわけではない。
ポイント
  • 貪食が主な仕事の細胞は好中球・単球/マクロファージ・樹状細胞
  • 単球は最も大きい白血球で、組織に出るとマクロファージになる。
  • マクロファージは「貪食+抗原提示」の二役をこなす。
  • 好塩基球・好酸球は顆粒を放出して働く。NK細胞は細胞傷害で働く。
  • 好酸球は多少の取り込み能をもつが、主役は脱顆粒による傷害。貪食細胞には数えない(好塩基球は貪食しない、と書き分ける)。
  • 急性炎症の初期に最初に集まるのは好中球、遅れてマクロファージが後片づけを担う。
比較表
細胞働き方貪食
好中球細菌を取り込んで殺菌。急性炎症の主役する
単球/マクロファージ貪食+抗原提示する
好酸球顆粒蛋白を放出。寄生虫・アレルギー主な働きではない(多少の取り込み能はある)
好塩基球ヒスタミン等を放出。Ⅰ型アレルギーしない
NK細胞感染細胞・腫瘍細胞を直接傷害しない
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