学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ26P082

理由で解く 柔道整復師

QJ26P082 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問82
問題
モンテギア(Monteggia)骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 伸展型に比べ屈曲型が多い。
2 伸展型では尺骨は前外方凸の屈曲変形を呈する。
3 尺骨神経麻痺を合併する。
4 屈曲型では肘関節鋭角屈曲位、前腕回外位で固定する。
解答
正解2(伸展型では尺骨は前外方凸の屈曲変形を呈する。)
解説

モンテギア骨折は尺骨骨幹部骨折に橈骨頭脱臼を伴うものです。多数を占める伸展型では尺骨が前外方凸に屈曲し橈骨頭が前方へ脱臼するため、2が正しい記述です。

この骨折は「尺骨が折れたら必ず橈骨頭を見る」という診察習慣そのものを問う題材です。橈骨と尺骨は近位橈尺関節と骨間膜で連結されているため、尺骨が屈曲変形すれば橈骨頭は関節から押し出されます。伸展型では尺骨が前方(前外方)へ凸に折れ、その分だけ橈骨頭が前方へ脱臼します。屈曲型はまれで、尺骨が後方凸となり橈骨頭は後方へ逸脱します。固定肢位は、脱臼した橈骨頭が戻る方向に肘を置くという一貫した考え方で決まり、伸展型は肘の鋭角屈曲位・前腕回外位、屈曲型は肘の伸展位寄りで保持します。前方に脱臼した橈骨頭は回外筋を貫く後骨間神経を圧迫しうるため、手指の伸展を必ず確認します。

✓ 2. 正しい
伸展型では尺骨は前外方凸の屈曲変形を呈する。
尺骨骨折部が前外方へ凸となり、その変形に押される形で橈骨頭が前方(前外方)へ脱臼します。尺骨の変形の向きと橈骨頭の逸脱方向が連動する点が、この骨折を理解する軸になります。
✗ 1. 誤り
伸展型に比べ屈曲型が多い。
頻度は逆で、伸展型が大多数を占め、屈曲型はまれです。まず伸展型の像を基準として覚え、屈曲型はその鏡像として押さえると整理できます。
✗ 3. 誤り
尺骨神経麻痺を合併する。
合併しやすいのは橈骨神経、とくに回外筋の中を通る後骨間神経の麻痺です。前方へ脱臼した橈骨頭が神経を圧迫するためで、手指MP関節の伸展ができるかを確認します(知覚障害は目立ちません)。
✗ 4. 誤り
屈曲型では肘関節鋭角屈曲位、前腕回外位で固定する。
鋭角屈曲位・前腕回外位で固定するのは伸展型です。屈曲型では橈骨頭が後方へ逸脱するため、肘を伸展位寄りで保持して整復位を守ります。固定肢位は「脱臼した橈骨頭が戻る方向」で決まると考えれば、型が入れ替わっていることが分かります。
ポイント
  • モンテギア骨折=尺骨骨幹部(近位)骨折+橈骨頭脱臼。尺骨骨折を見たら橈骨頭を必ず確認。
  • 伸展型が大多数。尺骨は前外方凸、橈骨頭は前方へ脱臼。
  • 屈曲型はまれ。尺骨は後方凸、橈骨頭は後方へ脱臼。
  • 固定肢位は橈骨頭が戻る方向で決める。伸展型=肘鋭角屈曲位・前腕回外位/屈曲型=肘伸展位寄り。
  • 合併しやすいのは後骨間神経(橈骨神経深枝)麻痺。手指MP関節の伸展を確認する。
比較表
項目伸展型屈曲型
頻度大多数まれ
尺骨の変形前外方凸後方凸
橈骨頭の脱臼方向前方(前外方)後方
固定肢位肘鋭角屈曲位・前腕回外位肘伸展位寄り
合併しやすい神経障害後骨間神経(橈骨神経深枝)麻痺
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