学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ26P067

理由で解く 柔道整復師

QJ26P067 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問67
問題
骨折と後遺症の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 前腕骨骨折過剰仮骨形成
2 肋骨骨折-ズデック (Sudeck)骨萎縮
3 踵骨骨折阻血性骨壊死
4 上腕骨外科頸骨折-外傷性骨化性筋炎
解答
正解1(前腕骨骨折過剰仮骨形成)
解説

後遺症は「その部位の解剖のどこが弱点か」で決まります。前腕は2骨が骨間膜を挟んで並走するため過剰仮骨が橋を架けやすく、1が正しい組合せです。

後遺症を暗記でつなぐと取りこぼしますが、成り立ちで整理すると迷いません。過剰仮骨は骨膜が広く剥離し血腫が大きいところに生じ、隣接する2骨の間で起これば橋状仮骨となって回旋を止めます。阻血性骨壊死は栄養血管が遠位から近位へ逆行性に入る骨(大腿骨頭、手舟状骨近位、距骨体、月状骨)に固有です。ズデック骨萎縮(現在は複合性局所疼痛症候群I型に含めて理解されます)は四肢の遠位部、とくに橈骨遠位端骨折後に多く、外傷性骨化性筋炎は上腕筋の血腫が生じる肘周辺に多く出ます。

✓ 1. 正しい
前腕骨骨折過剰仮骨形成
橈骨と尺骨は骨間膜を挟んで近接しているため、両骨骨幹部骨折では骨間部に生じた仮骨が両骨をつなぐ橋状仮骨(癒合)となり、前腕の回内外が失われます。整復では骨間膜の広がりを保つよう、骨間を開いた肢位で固定するのが要点です。
✗ 2. 誤り
肋骨骨折-ズデック (Sudeck)骨萎縮
ズデック骨萎縮は四肢遠位部、とくに橈骨遠位端骨折後や足部外傷後に生じます。肋骨骨折で警戒するのは血胸・気胸、皮下気腫、肺挫傷、多発なら動揺胸郭で、呼吸状態の観察と早期の医師への紹介が中心になります。
✗ 3. 誤り
踵骨骨折阻血性骨壊死
踵骨は海綿質に富み血流が豊富で、壊死はまず問題になりません。踵骨骨折で残るのは踵部の扁平化・幅の増大による腓骨筋腱の刺激、距骨下関節の外傷性変形性関節症、足部アーチ低下です。阻血性骨壊死の代表は大腿骨頸部内側骨折・手舟状骨骨折・距骨頸部骨折です。
✗ 4. 誤り
上腕骨外科頸骨折-外傷性骨化性筋炎
外傷性骨化性筋炎は肘関節周辺(上腕骨顆上骨折、肘関節脱臼)で上腕筋内に血腫ができた場合が代表です。上腕骨外科頸骨折で残りやすいのは腋窩神経損傷による三角筋麻痺・肩外側の知覚障害と、長期固定による肩関節拘縮なので、早期から愛護的な運動を組み込みます。
ポイント
  • 過剰仮骨・橋状仮骨→前腕両骨骨幹部骨折(回内外障害)。骨間を開いて固定する。
  • 阻血性骨壊死→大腿骨頸部内側骨折・手舟状骨(近位骨片)・距骨頸部・月状骨。逆行性の血行が共通点。
  • ズデック骨萎縮(CRPS I型)→橈骨遠位端骨折など四肢遠位部。
  • 外傷性骨化性筋炎→肘周辺(顆上骨折・肘関節脱臼)。強い他動運動を避ける。
  • 上腕骨外科頸骨折→腋窩神経損傷と肩関節拘縮に注意。
比較表
骨折代表的な後遺症成り立ち
前腕両骨骨幹部骨折過剰仮骨・橋状仮骨→回内外障害2骨が骨間膜を挟んで近接
橈骨遠位端骨折ズデック骨萎縮、長母指伸筋腱皮下断裂四肢遠位部/リスター結節の摩擦
大腿骨頸部内側・手舟状骨・距骨頸部阻血性骨壊死、偽関節栄養血管が遠位から逆行性に入る
上腕骨顆上骨折・肘関節脱臼外傷性骨化性筋炎、内反肘、フォルクマン拘縮上腕筋の血腫、上腕動脈の走行
上腕骨外科頸骨折腋窩神経損傷、肩関節拘縮腋窩神経が外科頸を回る
踵骨骨折距骨下関節症、足部アーチ低下、腓骨筋腱障害荷重関節・海綿質で壊死はまれ
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