学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §7 総論 脱臼 / QJ26P068

理由で解く 柔道整復師

QJ26P068 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問68
問題
反復性脱臼の原因となるのはどれか。
選択肢
1 骨軟骨の発育障害
2 関節の弛緩
3 自身の筋力
4 腱付着部の裂離骨折
解答
正解4(腱付着部の裂離骨折)
解説

反復性脱臼は「初回の外傷で壊れた構造が治らずに残った」結果です。器質的な損傷を示しているのは4だけなので、4が正答です。

繰り返す脱臼は原因ごとに名前が分かれており、そこを取り違えると選べません。反復性脱臼は外傷性脱臼の後遺症で、初回脱臼時に生じた関節唇の剥離、関節窩縁の骨折、関節包・靭帯付着部の裂離骨折といった制動機構の破綻が修復されずに残り、以後は軽微な外力でも脱臼するようになったものです。これに対し習慣性脱臼は関節包・靭帯の弛緩や骨・軟骨の形態異常といった素因によるもの、随意性脱臼は本人が自分の筋の働きで脱臼させられるものを指します。したがって選ぶべきは、外傷によって生じ自然には元に戻らない構造的欠損=裂離骨折です。

✓ 4. 正しい
腱付着部の裂離骨折
裂離骨折は関節包・靭帯・腱の付着部が骨ごと剥がれた状態で、そのまま癒合しなければ関節を止める力が永久に失われます。これが反復性脱臼の典型的な下地です。だからこそ初回脱臼の整復後は、十分な期間の固定で軟部組織の修復を待ち、その後に回旋筋腱板や肩甲帯の筋力訓練へつなぐ流れが重要になります。
✗ 1. 誤り
骨軟骨の発育障害
関節窩の低形成など骨・軟骨の形態異常が下地になるのは習慣性脱臼(素因による脱臼)や先天性脱臼で、外傷を契機に繰り返す反復性脱臼とは成り立ちが異なります。
✗ 2. 誤り
関節の弛緩
関節包・靭帯の弛緩や全身関節弛緩性は習慣性脱臼(動揺性の肩関節など)の背景です。明らかな外傷歴がなく両側性のことも多い点が、反復性脱臼との鑑別点になります。
✗ 3. 誤り
自身の筋力
自分の筋収縮で脱臼させ、また戻せるものは随意性脱臼です。心理的背景を伴うことがあり、無理に固定するより筋のバランス再教育を軸に対応します。
ポイント
  • 反復性脱臼=外傷性脱臼の後遺症。関節唇剥離・関節窩縁骨折・付着部裂離骨折など器質的欠損が原因。
  • 習慣性脱臼=関節包・靭帯の弛緩、骨軟骨の形態異常など素因によるもの。
  • 随意性脱臼=自身の筋力で脱臼・整復できるもの。
  • 先天性・病的脱臼=発育障害や疾患による関節構成体の破綻。
  • 初回外傷性脱臼では、十分な固定期間の確保が反復性への移行を減らす鍵。
比較表
分類主な原因手がかり
反復性脱臼初回外傷で生じた裂離骨折・関節唇剥離が未修復明確な初回外傷歴、片側性
習慣性脱臼関節包・靭帯の弛緩、骨軟骨の形態異常外傷歴が乏しい、両側性のことも
随意性脱臼自身の筋力本人が意図的に脱臼・整復できる
先天性・病的脱臼発育障害、感染・麻痺などの疾患基礎疾患・発育歴
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