学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §12 疾患別各論 骨端症 / QJ26P061

理由で解く 柔道整復師

QJ26P061 整形外科学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問61
問題
ペルテス(Perthes)病で誤っているのはどれか。
選択肢
1 男児に好発する。
2 関節症の原因となる。
3 股関節の開排制限がみられる。
4 ドレーマン(Drehmann)徴候がみられる。
解答
正解4(ドレーマン(Drehmann)徴候がみられる。)
解説

ペルテス病は幼児〜学童(およそ4〜8歳)の男児に多い、大腿骨頭の阻血性壊死です。Drehmann徴候は大腿骨頭すべり症を代表する所見なので、4が誤りで、これが答えになります。

ペルテス病では大腿骨頭骨端への血流が途絶えて骨頭が壊死し、その後の修復過程で骨頭が扁平化・拡大します。痛みは股関節だけでなく大腿前面から膝に放散することが多く、「膝が痛い」と訴える小児こそ股関節を診るのが鉄則です。診察では患側の外転(開排)と内旋が制限され、跛行がみられます。骨頭が変形したまま成長を終えると臼蓋との適合が悪くなり、比較的若い年齢で変形性股関節症へ進みます。治療は変形した骨頭を臼蓋の中にしっかり包み込む(containment)という考え方が中心で、免荷・装具・骨切り術を、病期と発症年齢に応じて選びます。学童の跛行や膝痛をみたら、まず股関節の開排と内旋を左右で比べ、制限があれば画像評価につなぎましょう。

✗ 1. 正しい記述(答えではない)
男児に好発する。
ペルテス病は男児に多く(女児の数倍)、好発年齢はおよそ4〜8歳です。多くは片側性で、この記述は正しく、設問が求める選択肢ではありません。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
関節症の原因となる。
骨頭の扁平化・拡大が残ると臼蓋との適合性が損なわれ、将来の変形性股関節症の原因になります。だからこそ骨頭を包み込む治療で変形を最小限にすることが目標になります。正しい記述です。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
股関節の開排制限がみられる。
外転(開排)制限と内旋制限は、ペルテス病の代表的な他覚所見です。左右差として捉えやすく、跛行や膝への放散痛とあわせて疑うきっかけになります。答えではありません。
✓ 4. 誤り=これが答え
ドレーマン(Drehmann)徴候がみられる。
Drehmann徴候は、股関節を屈曲していくと自然に外転・外旋してしまう現象で、大腿骨頭すべり症でみられる所見です。すべり症は思春期(およそ10〜15歳)の肥満傾向の男児に多く、骨端が後下方へずれるために起こります。ペルテス病(学童前期・骨頭壊死)と大腿骨頭すべり症(思春期・骨端のずれ)は、年齢層と特徴的所見をセットで対比して覚えると取り違えません。
ポイント
  • ペルテス病=4〜8歳ごろの男児に多い大腿骨頭の阻血性壊死。多くは片側性。
  • 所見は跛行、外転(開排)制限・内旋制限、大腿前面〜膝への放散痛。
  • Drehmann徴候(屈曲で外転・外旋する)は大腿骨頭すべり症の所見。
  • 骨頭変形が残ると若年で変形性股関節症へ進む。治療はcontainment(免荷・装具・骨切り術)。
  • 膝痛を訴える小児では必ず股関節を評価し、開排・内旋の左右差があれば画像評価につなぐ。
比較表
ペルテス病大腿骨頭すべり症
好発年齢およそ4〜8歳およそ10〜15歳(思春期)
体型・性差男児、小柄・活発なことが多い男児、肥満傾向が多い
本態大腿骨頭骨端の阻血性壊死成長軟骨部で骨端が後下方へずれる
特徴的所見開排制限・内旋制限、跛行Drehmann徴候、内旋制限、外旋位
共通点膝痛として訴えることがある/将来の変形性股関節症の原因になる
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