学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §10 疾患別各論 非感染性軟部・骨関節疾患 / QJ26P060

理由で解く 柔道整復師

QJ26P060 整形外科学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問60
問題
痛風発作時の治療として適切でないのはどれか。
選択肢
1 インドメタシンの投与
2 尿酸のコントロール
3 飲水の奨励
4 コルヒチンの投与
解答
正解2(尿酸のコントロール)
解説

痛風発作のさなかは「起きている炎症を消すこと」に専念し、血清尿酸値そのものを動かす治療は始めません。発作中に尿酸値が急に変動すると関節内の尿酸塩結晶がはがれ落ちて炎症がぶり返すため、2が適切でない=これが答えです。

痛風発作は、関節内に析出した尿酸ナトリウム結晶を好中球が貪食し、炎症性サイトカインが一気に放出された状態です。したがって急性期の治療はNSAIDs(インドメタシンなど)を十分量・短期間で使うか、コルヒチンで好中球の遊走・貪食を抑えることが柱になり、これらが使えない場合は副腎皮質ステロイドを用います。水分を十分にとって尿量を確保すれば尿酸の排泄が進み、尿路結石の予防にもなります。一方、アロプリノールなどの尿酸降下薬を発作中に開始・増量すると、血清尿酸値が急激に下がって関節内の結晶が溶けはじめ、その剥離が新たな引き金となって発作が再燃・遷延します。すでに服用中の人は自己判断で中断させず継続し、新規開始は炎症が落ち着いてから低用量で始めるのが原則です。生活面では、プリン体の多い食品とアルコール(とくにビール)を控え、水分摂取と減量を勧めます。

✗ 1. 適切(答えではない)
インドメタシンの投与
インドメタシンはNSAIDsで、急性発作期の第一選択です。プロスタグランジン産生を抑えて炎症と痛みを速やかに鎮めます。十分量を短期間使って、症状が治まったら減量・中止するのが基本の使い方です。設問が求める「適切でないもの」には当たりません。
✓ 2. 適切でない=これが答え
尿酸のコントロール
発作中に尿酸降下療法を始めたり量を変えたりすると、血清尿酸値の急激な低下によって関節内の結晶が溶け・はがれ、かえって発作を悪化させ長引かせます。とるべき順序は「まず炎症を鎮める→炎症が落ち着いてから尿酸降下薬を低用量で開始し、徐々に増やす」です。なお、発作前から服用中の薬は中断せず継続します。
✗ 3. 適切(答えではない)
飲水の奨励
十分な飲水は尿量を確保して尿酸の排泄を促し、尿酸結石の予防にもつながります。発作時・間欠期を通じて勧められる対応です。ただし飲むのは水や茶であって、アルコールは尿酸値を上げるため避けるよう伝えます。
✗ 4. 適切(答えではない)
コルヒチンの投与
コルヒチンは微小管の重合を妨げて好中球の遊走・貪食を抑える薬で、発作の初期ほどよく効きます。「そろそろ来そうだ」という前兆期に少量を服用して発作を未然に抑える使い方もあり、急性期治療として適切です。
ポイント
  • 発作時は炎症を止めるのが最優先。NSAIDs(インドメタシンなど)、コルヒチン、使えなければステロイド。
  • 発作中に尿酸降下薬を開始・増量しない。尿酸値の急変が結晶を剥離させて発作を長引かせる。
  • すでに尿酸降下薬を飲んでいる人は自己判断で中断せず継続する。
  • 尿酸降下薬は炎症が落ち着いてから低用量で開始し、徐々に増量する。
  • 飲水は発作時・間欠期とも有用。アルコール(特にビール)とプリン体の多い食事は控える。
比較表
発作時(急性期)間欠期・慢性期
目的炎症を鎮める血清尿酸値を下げて発作と腎障害を防ぐ
薬物NSAIDs、コルヒチン、副腎皮質ステロイド尿酸生成抑制薬(アロプリノール等)、尿酸排泄促進薬
尿酸降下薬の扱い新規開始・増量はしない(服用中なら継続)低用量から開始し漸増
生活指導患部の安静・冷却、飲水飲水、節酒、プリン体制限、減量、運動
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