学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §10 疾患別各論 非感染性軟部・骨関節疾患 / QJ25P059
理由で解く 柔道整復師
関節リウマチの変形は「滑膜炎が関節包・靱帯・腱を緩ませ、そこに筋力と荷重が加わって崩れる」という共通の成り立ちで説明できます。肘で起こるのは屈曲拘縮であり、内反変形は上腕骨顆上骨折の変形治癒に代表される外傷後の変形です。
増殖した滑膜(パンヌス)が軟骨と骨、さらに関節を支える靱帯や腱を侵すため、関節は支持性を失い、日常的に働く力の方向へ崩れていきます。手関節では遠位橈尺関節の支持機構が壊れて尺骨頭が背側へ突出し(尺骨頭症候群)、手指は尺側偏位・スワンネック変形・ボタン穴変形をきたします。頸椎では環軸椎亜脱臼、股では臼底が薄くなって骨頭が骨盤内へ入り込む寛骨臼突出、膝では外反変形、足では外反母趾・槌趾・開張足が典型です。肘関節は滑膜炎の好発部位ですが、生じるのは伸展制限を伴う屈曲拘縮であり、内反への角状変形は起こしません。ここで柔道整復の実務上とりわけ重要なのが頸椎の環軸椎亜脱臼です。横靱帯が緩んで環椎が前方へずれると歯突起が脊髄を圧迫しうるため、関節リウマチと分かった時点で頸部の急激な伸展・回旋やスラスト操作は行いません。頸部痛や後頭部痛、上肢のしびれ、手指の巧緻運動障害(ボタンかけ・箸の使いにくさ)、歩行の不安定さを認めた場合は施術を進めず、頸椎の画像評価を医師に依頼します。こうした安全確認を前提としたうえで、変形が進む前の段階から関節保護の指導と可動域・筋力の維持を行い、薬物療法を担う主治医との連携を続けることが、機能を守るうえで最も効果的です。
| 部位 | 関節リウマチで典型的な変形 |
|---|---|
| 頸椎 | 環軸椎亜脱臼(頸部の急激な伸展・回旋やスラスト操作は行わない) |
| 肘 | 屈曲拘縮(内反変形は典型的でない) |
| 手関節 | 尺骨頭の背側亜脱臼、手根の尺側偏位・掌側亜脱臼 |
| 手指 | スワンネック変形、ボタン穴変形、尺側偏位、母指Z変形 |
| 股 | 寛骨臼突出(中心性の亜脱臼・脱臼) |
| 膝 | 外反変形 |
| 足 | 外反母趾、槌趾、開張足 |
| (参考)内反肘 | 小児の上腕骨顆上骨折後の変形治癒 |
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