学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §22 部位別各論 大腿・膝関節 / QJ25P060

理由で解く 柔道整復師

QJ25P060 整形外科学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問60
問題
変形性膝関節症にみられないのはどれか。
選択肢
1 運動開始時の痛み
2 大腿四頭筋萎縮
3 関節液混濁
4 骨棘形成
解答
正解3(関節液混濁)
解説

変形性膝関節症は関節軟骨のすり減りを主体とする非炎症性の変性疾患です。関節液は増えても淡黄色で透明さと粘稠度が保たれ、混濁するのは化膿性関節炎や関節リウマチ、結晶性関節炎など炎症細胞が多量に集まる病態です。

軟骨が摩耗すると軟骨片が滑膜を刺激し、二次性の滑膜炎から関節液が増えて膝が腫れます。ただしこの滑膜炎は反応性で細胞成分が乏しいため、液は淡黄色透明で、ヒアルロン酸による粘り気も比較的保たれます。一方、細菌感染では好中球が大量に動員されて液は膿性に濁り、粘稠度は著しく低下します。症状としては、動き始めに痛み、しばらく歩くと軽くなり、また休んで動き出すと痛む「運動開始時痛」が特徴的で、痛みによる活動量低下から大腿四頭筋(特に内側広筋)が萎縮し、支持性の低下がさらに軟骨への負担を増すという悪循環に陥ります。したがって施術では、大腿四頭筋の強化と可動域の維持、体重管理を軸に組み立てます。もし関節液が濁っている、熱感が強い、発熱を伴うといった所見があれば、変性疾患の枠を超えているため速やかに医師の診察につなぎます。

✓ 3. これはみられない(正答)
関節液混濁
変形性膝関節症の関節液は量が増えても淡黄色で透明、粘稠度も保たれるのが典型です。液が混濁している場合は化膿性関節炎、関節リウマチ、痛風・偽痛風などを考える必要があり、特に発熱と強い熱感を伴う混濁は緊急性が高いため、直ちに医療機関へ紹介します。
✗ 1. みられる(答えではない)
運動開始時の痛み
動き始めの数歩が痛く、歩き続けると軽減するのが本症の代表的な訴えです。進行すると持続痛や夜間痛へ移行するため、痛みの出方の変化は病期を推し量る手がかりになります。
✗ 2. みられる(答えではない)
大腿四頭筋萎縮
疼痛による使用頻度の低下から大腿四頭筋、特に内側広筋が萎縮します。膝の支持性が落ちてさらに関節への負担が増すため、四頭筋強化は保存療法の中心に位置づけられます。
✗ 4. みられる(答えではない)
骨棘形成
関節辺縁の骨棘は、関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化、骨嚢腫とともに本症の単純エックス線四徴を構成します。関節の不安定さを補おうとする骨の反応の現れです。
ポイント
  • 変形性膝関節症は非炎症性の変性疾患。関節液は淡黄色透明で粘稠度が保たれる。
  • 関節液の混濁は化膿性関節炎・関節リウマチ・結晶性関節炎などを示唆する所見。
  • 症状は運動開始時痛から始まり、進行すると持続痛・夜間痛へ。
  • 単純エックス線の四徴=関節裂隙狭小化、骨棘、軟骨下骨硬化、骨嚢腫。
  • 保存療法は大腿四頭筋の強化・可動域維持・体重管理が柱。熱感や発熱を伴えば医師へつなぐ。
比較表
項目正常変形性膝関節症関節リウマチ化膿性関節炎
外観淡黄色・透明淡黄色・透明黄色〜やや混濁混濁・膿性
粘稠度高いほぼ保たれる低下著明に低下
細胞数ごく少ない軽度増加増加著明に増加(好中球優位)
細菌なしなしなし検出される
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