学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §9 疾患別各論 骨および軟部腫瘍 / QJ25P061

理由で解く 柔道整復師

QJ25P061 整形外科学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問61
問題
骨腫瘍の単純エックス線所見で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 線維性骨異形成-羊飼いの杖変形
2 ユーイング(Ewing)肉腫-玉ねぎ様骨膜反応
3 多発性骨髄腫ーーー打ち抜き像
4 骨巨細胞腫-スリガラス状透明像
解答
正解4(骨巨細胞腫-スリガラス状透明像)
解説

骨腫瘍のエックス線所見は、腫瘍が骨をどう壊し、骨がどう反応するかがそのまま像になります。すりガラス状の透明像は線維性骨異形成の所見であり、骨巨細胞腫で典型的なのは骨梁の隔壁が残って多房状に見える石けん泡状の透亮像です。

線維性骨異形成では正常な骨髄が線維性組織と未熟な骨に置き換わるため、透亮でも硬化でもない中間の濃度=すりガラス状の陰影となり、大腿骨近位部が荷重に耐えられず内反変形すると羊飼いの杖変形を示します。骨巨細胞腫は膝周辺(大腿骨遠位・脛骨近位)の骨端部に生じ、骨皮質を薄く膨隆させながら内部に骨梁の隔壁を残すため、泡が集まったような多房性透亮像になります。ユーイング肉腫は骨幹部で腫瘍が骨膜を段階的に押し上げるため層状(玉ねぎの皮様)の骨膜反応を、多発性骨髄腫は形質細胞が破骨細胞を活性化して境界明瞭な打ち抜き像を作ります。どの像も「腫瘍の場所(骨端か骨幹か)」と「骨の壊れ方・反応の仕方」から導けるので、丸暗記に頼らずに整理できます。

✓ 4. これが誤り(正答)
骨巨細胞腫-スリガラス状透明像
骨巨細胞腫で典型的なのは、骨端部に生じ骨皮質を膨隆させながら内部に隔壁を残す石けん泡状(多房性)の透亮像です。すりガラス状透明像は線維性骨異形成の所見であり、この組合せは入れ替わっています。骨巨細胞腫は組織学的には良性に分類されますが、局所再発や肺転移をきたすことがあるため、経過観察が欠かせない腫瘍です。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
線維性骨異形成-羊飼いの杖変形
病変で骨の強度が落ち、荷重のかかる大腿骨近位部が内反して弯曲した状態を羊飼いの杖変形と呼びます。すりガラス状陰影とあわせて、本症を代表する所見です。
✗ 2. 正しい組合せ(答えではない)
ユーイング(Ewing)肉腫-玉ねぎ様骨膜反応
長管骨の骨幹部に好発し、腫瘍の進展に伴って骨膜が段階的に持ち上げられるため、層が重なった玉ねぎの皮様の骨膜反応を示します。発熱や炎症反応の上昇を伴い、骨髄炎と紛らわしいことがあります。
✗ 3. 正しい組合せ(答えではない)
多発性骨髄腫ーーー打ち抜き像
腫瘍化した形質細胞が破骨細胞を活性化して骨を溶かすため、頭蓋骨などに境界明瞭な円形の透亮像=打ち抜き像が多発します。骨シンチグラフィでは集積が乏しいことがあり、単純エックス線や全身CTでの評価が重視されます。
ポイント
  • すりガラス状透明像=線維性骨異形成。大腿骨近位が内反すれば羊飼いの杖変形。
  • 石けん泡状(多房性)透亮像=骨巨細胞腫。膝周辺の骨端部に好発する。
  • 玉ねぎの皮様(層状)骨膜反応=ユーイング肉腫。長管骨の骨幹部。
  • 打ち抜き像=多発性骨髄腫。頭蓋骨などに境界明瞭な透亮像が多発。
  • コッドマン三角・日光様(スパイキュラ)骨膜反応=骨肉腫。膝周辺の骨幹端。
比較表
特徴的な所見代表疾患好発部位
すりガラス状透明像、羊飼いの杖変形線維性骨異形成大腿骨近位など
玉ねぎの皮様(層状)骨膜反応ユーイング肉腫長管骨の骨幹、骨盤
打ち抜き像多発性骨髄腫頭蓋骨、椎体、肋骨
石けん泡状(多房性)透亮像骨巨細胞腫大腿骨遠位・脛骨近位の骨端
コッドマン三角、日光様骨膜反応骨肉腫膝周辺の骨幹端
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