学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §22 部位別各論 大腿・膝関節 / QJ28P066
理由で解く 柔道整復師
前十字靱帯(ACL)が不全のまま残った膝では、膝くずれを繰り返すうちに半月板が二次的に断裂する。その断裂片が関節の間に挟まって伸展できなくなった状態がロッキング(半月板嵌頓)である。
ACLは脛骨の前方移動と回旋を止める靱帯で、機能が失われたままだと、方向転換や切り返しのたびに脛骨が前方へずれてgiving way(膝くずれ)が起こる。これを繰り返すうちに、内側半月板の後節を中心に縦の亀裂が広がっていく。亀裂が長くなったバケツ柄状断裂では、内側寄りの断裂片が顆間部へ落ち込み、大腿骨顆と脛骨の間に挟まり込む。すると伸展の最終域で止まってしまい、自動でも他動でも最後まで伸びず、押すとゴムのような弾性のある抵抗(springy block)を感じる。屈曲はある程度できるため、患者の訴えは「曲がるのに伸びない」となる。本問の「保存的治療後」「歩行時の方向転換」「膝くずれ」「伸展不能」という並びは、この二次的半月板損傷とロッキングの典型的な経過をそのままなぞっている。
| 病態 | 典型的な発生状況 | 自動伸展 | 他動伸展 | 手がかりとなる所見 |
|---|---|---|---|---|
| 半月板嵌頓(ロッキング) | ACL不全膝の膝くずれ、ひねり動作 | 不能 | 不能(弾性抵抗) | 屈曲は可能、関節裂隙の圧痛、伸展最終域の弾性抵抗(springy block)/McMurrayテストは嵌頓が解除された後に確認する検査で、ロッキング中は施行しない |
| 膝蓋骨脱臼 | 膝軽度屈曲位でのひねり、素因のある10代女性 | 不能 | 整復されるまで不能 | 膝蓋骨が外側に触れる、明らかな変形、膝蓋骨不安感テスト陽性 |
| 膝蓋腱断裂 | ジャンプ着地など急激な大腿四頭筋収縮 | 不能 | 可能 | 膝蓋骨高位、腱部の陥凹、下肢伸展挙上不能 |
| 膝関節内骨折 | 転落・交通外傷など強い外力 | 不能ないし著明制限 | 骨性の硬い制限 | 著明な関節血腫、荷重不能、変形・異常可動性 |
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