学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §22 部位別各論 大腿・膝関節 / QJ33P066

理由で解く 柔道整復師

QJ33P066 整形外科学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問66
問題
大腿骨顆部骨壊死で正しいのはどれか。
選択肢
1 若年男性に多い。
2 外側に発症することが多い。
3 関節裂隙に石灰化がみられる。
4 突然の強い痛みで発症することが多い。
解答
正解4(突然の強い痛みで発症することが多い。)
解説

大腿骨顆部骨壊死(特発性膝関節骨壊死)は、高齢女性の大腿骨内顆荷重部に起こる骨壊死で、ある日突然の強い膝痛で始まるのが最大の特徴である。正解は4。

発症の主体は、荷重部の軟骨下骨に生じる微小な脆弱性骨折とそれに続く血行障害と考えられている。骨折という一点の出来事から始まるため、患者が「何月何日から急に痛くなった」と発症日を言えるほど突然の激痛で発症し、夜間痛や安静時痛を伴うことが多い。年余をかけてじわじわ痛みが強まる変形性膝関節症とは、この立ち上がり方が明確に異なる。好発部位は日本人に多い内反膝で荷重が集中する大腿骨内顆の荷重面である。発症初期の単純エックス線はほぼ正常で、数週から数か月かけて内顆荷重部の透亮像、軟骨下骨の陥凹、周囲の骨硬化像が現れてくるため、早期診断にはMRI(骨髄浮腫と軟骨下骨の線状低信号)が有用である。治療は免荷と鎮痛、外側楔状足底板や装具で内側の荷重を減らすことが基本で、範囲が広く進行するものには高位脛骨骨切り術や人工関節置換術が検討される。突然の膝痛を訴える高齢者では、エックス線が正常でも本症を否定せず、免荷指導を行ったうえでMRIを含む精査のため医師へ紹介する姿勢が求められる。

✓ 4. 正しい
突然の強い痛みで発症することが多い。
軟骨下骨の微小骨折を契機に発症するため、誘因なく突然の激痛で始まり、発症時期を特定できることが多い。夜間痛・安静時痛を伴う点も特徴で、徐々に進行する変形性膝関節症との重要な鑑別点になる。
✗ 1. 誤り
若年男性に多い。
特発性のものは60歳以上の高齢者、なかでも女性に多く(男性のおよそ2〜3倍)、骨粗鬆症が背景にある。若年にみられる膝の骨壊死はステロイド大量投与、全身性エリテマトーデス、アルコール多飲などに伴う二次性で、こちらは両側性・多発性の傾向があり病態が異なる。
✗ 2. 誤り
外側に発症することが多い。
圧倒的に多いのは大腿骨内顆の荷重部である。日本人に多い内反膝では膝の内側に荷重が集中し、そこに脆弱性骨折が起こりやすいためで、治療でも外側楔状足底板などにより内側の荷重を減らす方向に働きかける。
✗ 3. 誤り
関節裂隙に石灰化がみられる。
関節裂隙(半月板や関節軟骨)に線状の石灰化が写るのはピロリン酸カルシウム結晶沈着症(偽痛風・軟骨石灰化症)の所見である。骨壊死では初期のエックス線はほぼ正常で、経過とともに内顆荷重部の透亮像・軟骨下骨の陥凹・周囲の骨硬化像が出現する。早期の把握にはMRIを用いる。
ポイント
  • 突然の激痛で発症し、発症日を特定できることが多い。夜間痛を伴う。
  • 好発は60歳以上の女性。骨粗鬆症が背景。若年例はステロイド・SLE・アルコールによる二次性を疑う。
  • 部位は大腿骨内顆の荷重部。内反膝で内側に荷重が集中することが理由。
  • 初期のエックス線は正常のことが多い。透亮像・軟骨下骨の陥凹・骨硬化像は遅れて出現し、早期診断はMRI
  • 治療は免荷・鎮痛・外側楔状足底板などの保存療法が基本。広範・進行例では骨切り術や人工関節置換術。
比較表
項目特発性大腿骨顆部骨壊死変形性膝関節症偽痛風(CPPD)
発症様式突然の激痛(発症日が言える)、夜間痛年単位で徐々に進行、動作開始時痛数日で急に腫脹・熱感を伴う発作
好発60歳以上の女性中高年、女性に多い高齢者
部位大腿骨内顆の荷重部内側関節裂隙中心膝関節(大関節)
単純エックス線初期は正常、のち透亮像・軟骨下骨の陥凹・骨硬化像関節裂隙狭小化、骨棘、軟骨下骨硬化関節裂隙に線状の石灰化(半月板・関節軟骨)
早期の評価MRI(骨髄浮腫)立位エックス線関節液の結晶検査
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。