学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §16 主要な疾患 内分泌・代謝疾患 / QJ26P040

理由で解く 柔道整復師

QJ26P040 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問40
問題
発汗過多、眼球突出、頻脈および手指振戦を示すのはどれか。
選択肢
1 アジソン(Addison)病
2 クレチン病
3 バセドウ (Basedow)病
4 クッシング (Cushing)病
解答
正解3(バセドウ (Basedow)病)
解説

発汗過多・眼球突出・頻脈・手指振戦は甲状腺ホルモン過剰による代謝亢進の症状で、バセドウ病が該当します。

バセドウ病は、TSH受容体に対する自己抗体(TRAb)が甲状腺を持続的に刺激して甲状腺ホルモンが過剰に産生される自己免疫疾患で、若い女性に多くみられます。甲状腺ホルモンは全身の基礎代謝を高め、熱産生が増えるため暑がりと発汗過多が起こり、交感神経系の感受性が高まって頻脈・動悸・手指の細かい振戦が出ます。エネルギー消費が亢進するので、食欲があるのに体重が減るのも特徴です。眼球突出は眼窩後部の脂肪組織や外眼筋に自己免疫性の炎症が及ぶことで生じます。びまん性甲状腺腫大・眼球突出・頻脈をメルセブルグ三徴と呼びます。検査では遊離T3・T4が高値、TSHが低値です。動悸・振戦・体重減少を訴える患者では甲状腺疾患を念頭に置き、頸部の腫大の有無を確認して内分泌内科への受診をすすめます。

✓ 3. 正しい
バセドウ (Basedow)病
TSH受容体抗体による甲状腺機能亢進症です。代謝亢進により発汗過多・暑がり・体重減少、交感神経緊張により頻脈・手指振戦が出現し、眼球突出を伴います(メルセブルグ三徴)。
✗ 1. 誤り
アジソン(Addison)病
副腎皮質機能低下症です。全身倦怠感、食欲不振、体重減少、低血圧、低血糖に加え、ACTH増加による皮膚・粘膜の色素沈着が特徴で、眼球突出や頻脈は伴いません。
✗ 2. 誤り
クレチン病
先天性甲状腺機能低下症です。代謝は低下するため、哺乳不良、遷延性黄疸、便秘、臍ヘルニア、成長・精神運動発達の遅滞がみられます。本問の症状群とは逆の方向です。
✗ 4. 誤り
クッシング (Cushing)病
下垂体のACTH産生腺腫によるコルチゾール過剰状態です。中心性肥満、満月様顔貌、水牛様脂肪沈着、赤紫色の皮膚線条、高血圧、耐糖能異常、骨粗鬆症が特徴で、眼球突出は伴いません。
ポイント
  • バセドウ病=TSH受容体抗体による甲状腺機能亢進症。メルセブルグ三徴=甲状腺腫・眼球突出・頻脈。
  • 代謝亢進の症状:発汗過多、暑がり、体重減少(食欲はある)、手指振戦、下痢、易疲労。
  • 検査は遊離T3・T4高値、TSH低値。
  • 甲状腺機能低下(橋本病・クレチン病)では、寒がり・体重増加・便秘・徐脈と逆向きの症状になる。
  • アジソン病=色素沈着と低血圧、クッシング病=中心性肥満と満月様顔貌。副腎系は増減で対にして覚える。
比較表
疾患ホルモン異常特徴的症状
バセドウ病甲状腺ホルモン過剰眼球突出、頻脈、発汗過多、手指振戦、体重減少
クレチン病甲状腺ホルモン不足(先天性)発達遅滞、遷延性黄疸、便秘、低体温
アジソン病副腎皮質ホルモン不足色素沈着、低血圧、易疲労、低血糖
クッシング病ACTH過剰によるコルチゾール過剰中心性肥満、満月様顔貌、皮膚線条、高血圧
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