学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §18 主要な疾患 腎・尿路疾患 / QJ26P039

理由で解く 柔道整復師

QJ26P039 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問39
問題
膀胱炎の症状はどれか。
選択肢
1 高熱
2 頻尿
3 浮腫
4 背部叩打痛
解答
正解2(頻尿)
解説

膀胱炎は膀胱粘膜の炎症により排尿刺激症状が前面に出るため、頻尿が代表的な症状です。高熱や背部叩打痛は上部尿路(腎盂腎炎)への波及を示す所見です。

急性単純性膀胱炎は、大腸菌などの腸内細菌が尿道から膀胱へ逆行して起こる下部尿路感染です。女性は尿道が短く肛門・腟に近いため頻度が高くなります。炎症で膀胱粘膜が刺激されると膀胱容量が小さくても尿意が起こり、頻尿・排尿時痛(とくに排尿終末時痛)・残尿感が三主徴となります。尿は混濁し、膿尿・細菌尿を認め、血尿を伴うこともあります。膀胱は腎と違って体温調節に関わる大きな組織反応を起こしにくいため、単純性膀胱炎では発熱しないか微熱にとどまります。ここに38度以上の高熱、悪寒戦慄、腰背部痛、肋骨脊柱角(CVA)叩打痛が加われば、細菌が尿管を逆行して腎盂腎炎へ進んだサインです。水分を十分にとり排尿を我慢しない、排便後は前から後ろへ拭くといった指導を行い、発熱や背部痛が出た場合はすみやかに医療機関を受診するよう伝えます。

✓ 2. 正しい
頻尿
膀胱粘膜の炎症による刺激で少量の尿でも尿意が起こり、頻尿となります。排尿時痛・残尿感とあわせて膀胱炎の三主徴です。
✗ 1. 誤り
高熱
単純性膀胱炎では発熱しないか微熱にとどまります。38度以上の高熱や悪寒戦慄があれば腎盂腎炎など上部尿路感染への進展を疑い、受診をすすめます。
✗ 3. 誤り
浮腫
浮腫は糸球体腎炎やネフローゼ症候群、心不全、肝硬変、低栄養などで生じます。膀胱粘膜の感染では体液貯留を来さないため、膀胱炎の症状ではありません。
✗ 4. 誤り
背部叩打痛
肋骨脊柱角の叩打痛は腎の炎症(腎盂腎炎)や尿管結石を示す所見です。膀胱は骨盤内にあるため、膀胱炎では背部の叩打痛は生じません。
ポイント
  • 膀胱炎の三主徴=頻尿・排尿時痛・残尿感。尿混濁や血尿を伴うこともある。
  • 単純性膀胱炎では発熱しないか微熱まで。高熱+CVA叩打痛=腎盂腎炎を疑う。
  • 女性に多い理由は尿道が短く外陰部に近いため。原因菌は大腸菌が最多。
  • 浮腫は腎炎・ネフローゼ・心不全などの全身病態。膀胱炎では生じない。
  • 指導は水分摂取と排尿の我慢を避けること。発熱・背部痛が出たら受診をすすめる。
比較表
項目膀胱炎(下部尿路感染)腎盂腎炎(上部尿路感染)
発熱なし〜微熱38度以上の高熱、悪寒戦慄
排尿症状頻尿・排尿時痛・残尿感膀胱炎症状を伴うこともある
疼痛部位下腹部の不快感腰背部痛、CVA叩打痛
全身状態比較的良好倦怠感、悪心、重症化で敗血症
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