学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §18 主要な疾患 腎・尿路疾患 / QJ26P038

理由で解く 柔道整復師

QJ26P038 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問38
問題
慢性腎不全の原因とならないのはどれか。
選択肢
1 高血圧
2 糖尿病
3 尿崩症
4 糸球体腎炎
解答
正解3(尿崩症)
解説

尿崩症は抗利尿ホルモンの作用不全による尿濃縮障害で、糸球体濾過機能そのものは保たれるため慢性腎不全の原因にはなりません。設問の答えは3です。

慢性腎不全は、腎機能(糸球体濾過量)が数か月から数年をかけて不可逆的に低下していく状態です。原因として頻度が高いのは糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、高血圧に伴う腎硬化症で、日本の透析導入原疾患では糖尿病性腎症が第1位を占めます。いずれもネフロンが持続的に傷害されて数を減らす点が共通しており、進行すると老廃物の蓄積、水・電解質異常、代謝性アシドーシス、腎性貧血(エリスロポエチン産生低下)、二次性副甲状腺機能亢進症などを来します。一方、尿崩症は視床下部・下垂体後葉からの抗利尿ホルモン分泌低下(中枢性)または腎集合管の反応低下(腎性)により尿を濃縮できなくなる病態で、多尿・低比重尿・口渇・多飲が主症状です。ネフロンの破壊とは機序が異なるため、水分摂取が保たれていれば腎不全へは進みません。高血圧や糖尿病をもつ患者では、血圧・血糖の管理と定期的な腎機能・尿蛋白のチェックを続けるよう伝えることが予防につながります。

✓ 3. これが答え(慢性腎不全の原因とならない)
尿崩症
抗利尿ホルモンの分泌低下(中枢性)または腎の反応低下(腎性)による尿濃縮障害で、多尿・低比重尿・口渇が主症状です。糸球体濾過機能は保たれ、ネフロンの持続的破壊を来さないため慢性腎不全の原因にはなりません。
✗ 1. 答えではない(原因となる)
高血圧
持続する高血圧は腎の細小動脈に硬化性変化を起こし、腎硬化症として糸球体を傷害します。慢性腎不全の主要原因の一つで、血圧管理が進行抑制の要です。
✗ 2. 答えではない(原因となる)
糖尿病
高血糖の持続により糸球体が傷害され、糖尿病性腎症を来します。微量アルブミン尿から蛋白尿、腎機能低下へと進み、日本の透析導入原疾患の第1位です。
✗ 4. 答えではない(原因となる)
糸球体腎炎
慢性糸球体腎炎は糸球体の慢性炎症により持続的に蛋白尿・血尿を来し、ネフロンが失われて慢性腎不全へ進行します。慢性腎不全の代表的原因です。
ポイント
  • 設問は「原因とならないもの」を選ぶ形式。原因となる3つを消して残る1つが答え。
  • 慢性腎不全の主要原因=糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症(高血圧)。透析導入の第1位は糖尿病性腎症。
  • 尿崩症は抗利尿ホルモンの作用不全による尿濃縮障害。多尿・低比重尿・口渇・多飲が主症状。
  • 尿崩症では糸球体濾過機能が保たれるため、腎不全へは進行しない。
  • 慢性腎不全の随伴症状=腎性貧血、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、二次性副甲状腺機能亢進症。
比較表
病態障害される場所尿の特徴腎不全へ進むか
糖尿病性腎症糸球体(高血糖による傷害)アルブミン尿→蛋白尿進む
腎硬化症(高血圧)腎の細小動脈軽度蛋白尿進む
慢性糸球体腎炎糸球体(慢性炎症)蛋白尿・血尿進む
尿崩症下垂体後葉または集合管(ADH系)多尿・低比重尿進まない
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