学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §18 主要な疾患 腎・尿路疾患 / QJ25P041

理由で解く 柔道整復師

QJ25P041 一般臨床医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問41
問題
腎・尿路疾患で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 腎不全では血漿交換が必要となる。
2 前立腺肥大では尿意切迫感を訴えることがある。
3 尿路結石では下腹部痛を突然発症することが多い。
4 単純性膀胱炎の原因菌は表皮ブドウ球菌が多い。
解答
正解2(前立腺肥大では尿意切迫感を訴えることがある。)、3(尿路結石では下腹部痛を突然発症することが多い。)
解説

前立腺肥大症では膀胱刺激により尿意切迫感などの蓄尿症状が出現し、尿路結石は突然の激しい疝痛で発症する。正答は2と3。

前立腺肥大症は加齢に伴って内腺が肥大し尿道を圧迫する疾患で、症状は排尿症状(尿線細小、排尿遅延、腹圧排尿)だけではない。閉塞に抗って排尿するうちに膀胱の排尿筋が肥厚・過敏となり、頻尿・夜間頻尿・尿意切迫感といった蓄尿症状(過活動膀胱症状)も高頻度に現れる。尿路結石は結石が尿管に嵌頓して尿管が痙攣し、上流の腎盂内圧が急上昇することで突然の激烈な疝痛を起こす。痛みの部位は結石の位置で変わり、上部尿管なら側腹部から腰背部、下部尿管まで下降すると下腹部から鼠径部・外陰部へ放散し、血尿や悪心・嘔吐を伴う。急に始まり、体位を変えても和らがない痛みが特徴である。腎不全の治療の中心は血液透析・腹膜透析であり、単純性膀胱炎の起炎菌は大腸菌が大半を占める。突然の激しい側腹部痛や排尿困難、発熱を伴う場合は施術より医療機関の受診を優先して勧める。

✓ 2. 正しい
前立腺肥大では尿意切迫感を訴えることがある。
尿道の閉塞に対抗して排尿するうちに膀胱排尿筋が肥厚・過敏化し、少量の蓄尿でも強い尿意が起こる。頻尿・夜間頻尿とともに、尿意切迫感などの蓄尿症状はよくみられる訴えである。
✓ 3. 正しい
尿路結石では下腹部痛を突然発症することが多い。
結石が尿管に嵌頓すると尿管の痙攣と腎盂内圧上昇により、前触れなく激烈な疝痛が始まる。結石が下部尿管にあれば痛みは下腹部から鼠径部・外陰部へ及び、血尿や悪心・嘔吐を伴うことが多い。
✗ 1. 誤り
腎不全では血漿交換が必要となる。
腎不全で腎代替療法が必要になった場合の中心は血液透析または腹膜透析であり、腎移植も選択肢となる。血漿交換は血漿中の病因物質や自己抗体を除く治療で、特定の病態に限って行われるもので、腎不全一般に必要な治療ではない。
✗ 4. 誤り
単純性膀胱炎の原因菌は表皮ブドウ球菌が多い。
単純性膀胱炎の起炎菌は大腸菌が大多数を占め、腸内細菌が会陰部から短い女性尿道を上行して感染する。頻尿・排尿時痛・残尿感が三主徴で、通常は発熱を伴わない。
ポイント
  • 前立腺肥大症は排尿症状(尿線細小・排尿遅延)と蓄尿症状(頻尿・夜間頻尿・尿意切迫感)の両方を来す。
  • 尿路結石は突然発症の激烈な疝痛が特徴。部位は結石の位置で側腹部〜下腹部・鼠径部へと変わり、血尿を伴う。
  • 腎不全の腎代替療法は血液透析・腹膜透析・腎移植。血漿交換は特定の病態に限られる。
  • 単純性膀胱炎の起炎菌は大腸菌が最多で、女性に多く発熱を伴わないのが典型。
  • 発熱を伴う腰背部痛・排尿困難・肉眼的血尿は上部尿路感染や閉塞を疑い、速やかな受診を勧める。
比較表
疾患主症状要点
前立腺肥大症排尿遅延、尿線細小、頻尿、尿意切迫感、残尿感閉塞+膀胱の過活動。進行すると尿閉
尿路結石突然の激しい疝痛、血尿、悪心・嘔吐痛みの部位は結石の位置で変化する
単純性膀胱炎頻尿、排尿時痛、残尿感起炎菌は大腸菌が最多、発熱は伴わない
腎盂腎炎発熱、悪寒、肋骨脊柱角の叩打痛上行性感染。全身症状を伴う
慢性腎不全倦怠感、浮腫、貧血、電解質異常腎代替療法は血液透析・腹膜透析・腎移植
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