学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ25P040

理由で解く 柔道整復師

QJ25P040 一般臨床医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問40
問題
リウマチ熱と関連性が高いのはどれか。
選択肢
1 関節破壊
2 蝶形紅斑
3 口腔内潰瘍
4 心臓弁膜症
解答
正解4(心臓弁膜症)
解説

リウマチ熱は溶連菌感染後に起こる全身性炎症で、心炎から弁膜(とくに僧帽弁)に障害を残し、心臓弁膜症の原因となる。正答は4。

リウマチ熱はA群β溶血性連鎖球菌による咽頭炎の後、数週間して発症する。菌の抗原と心臓や関節などの自己組織が似ているため、産生された抗体が自己組織を攻撃する交差反応(分子相同性)によって全身の結合組織に炎症が起こる。主要症状として心炎、多関節炎、舞踏病、輪状紅斑、皮下結節が挙げられ、これに発熱や炎症反応上昇、溶連菌感染の証拠を組み合わせて診断される。関節炎は大関節を次々に移動する遊走性で、後遺症を残さず消退するのが特徴である。これに対し心炎は弁膜に不可逆的な瘢痕変化を残し、年余を経て僧帽弁狭窄症などのリウマチ性弁膜症へ進行する。つまり「関節は治るが心臓に残る」のがリウマチ熱の要点で、溶連菌性咽頭炎をきちんと治療することが予防になる。

✓ 4. 正しい
心臓弁膜症
リウマチ熱の心炎は弁膜に炎症と瘢痕化をもたらし、長期経過で僧帽弁狭窄症をはじめとするリウマチ性弁膜症を残す。リウマチ熱の後遺症として最も重要で、関連性が高い。
✗ 1. 誤り
関節破壊
リウマチ熱の関節炎は大関節を移動する遊走性関節炎で、非破壊性であり後遺症を残さず治まる。骨・軟骨の破壊や関節変形を来すのは関節リウマチである。
✗ 2. 誤り
蝶形紅斑
両頬から鼻背にかけて蝶が羽を広げたように広がる紅斑で、全身性エリテマトーデス(SLE)に特徴的な皮膚所見である。リウマチ熱の皮膚所見は輪状紅斑や皮下結節である。
✗ 3. 誤り
口腔内潰瘍
再発性の口腔内アフタ性潰瘍はベーチェット病の主症状であり、SLEでもみられる。リウマチ熱の主要症状には含まれない。
ポイント
  • リウマチ熱=A群β溶血性連鎖球菌の咽頭炎後、交差反応で起こる全身性炎症。
  • 主要症状は心炎・多関節炎・舞踏病・輪状紅斑・皮下結節。
  • 関節炎は遊走性・非破壊性で後遺症を残さないが、心炎は弁膜症を残す。
  • 最も侵されやすいのは僧帽弁で、後年に僧帽弁狭窄症を来す。
  • 溶連菌性咽頭炎の適切な治療がリウマチ熱の予防につながる。
比較表
疾患関節症状特徴的な皮膚・粘膜所見主な後遺症
リウマチ熱遊走性・非破壊性の多関節炎輪状紅斑、皮下結節心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症)
関節リウマチ対称性・持続性、関節破壊と変形リウマトイド結節関節変形・機能障害
全身性エリテマトーデス非破壊性の関節炎蝶形紅斑、日光過敏、口腔内潰瘍腎障害(ループス腎炎)など
ベーチェット病関節炎(非破壊性)再発性口腔内アフタ、陰部潰瘍、結節性紅斑眼症状(ぶどう膜炎)
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