学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §14 主要な疾患 循環器疾患 / QJ26P036

理由で解く 柔道整復師

QJ26P036 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問36
問題
うっ血性心不全の患者で歩行時に呼吸困難や動悸を生じる NYHA 分類はどれか。
選択肢
1 I度
2 II度
3 Ⅲ度
4 IV 度
解答
正解2(II度) または 3(Ⅲ度) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

※本問は複数正答(厚生労働省が複数の選択肢を正解と認定)。選択肢 2/3 のいずれを選んでも正解。

この問題は複数正解の措置がとられ、II度とIII度の両方が正解として扱われた。設問の「歩行時」だけでは労作の程度が特定できず、通常の速さの平地歩行と読めばII度、ゆっくりした短距離の歩行と読めばIII度となるためである。

NYHA心機能分類は、心疾患のある人がどの程度の身体活動で症状(疲労・動悸・呼吸困難・狭心痛)を生じるかで4段階に分ける。I度は身体活動に制限がなく日常の労作では症状が出ない状態、II度は安静時は無症状だが日常的な身体活動で症状が出る軽度〜中等度の制限、III度は安静時は無症状だが日常より軽い労作で症状が出る高度の制限、IV度はいかなる身体活動でも症状が出て安静時にも心不全症状や狭心痛がある状態である。II度とIII度の境目は「日常的な労作か、それより軽い労作か」に置かれているが、歩行はその境界線上にある動作で、通常の速さで平地を歩く程度ならII度、平地をゆっくり短い距離歩いただけで息切れするならIII度と評価が分かれる。本問は距離・速度・勾配といった労作の程度を示す手がかりを欠いていたため、「設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられる」として複数正解の措置がとられた。実際の臨床では「どれくらいの距離を、どんな速さで、平地か坂道か」を具体的に聞き取り、患者の日常生活の場面に置き換えて重症度を判定する。試験では労作の程度を示す修飾語(「通常の速さで」「ゆっくり」「100m歩くと」など)に線を引いて読む習慣をつけると、この分類の問題は安定して解ける。

✓ 2. 正しい(複数正解の措置あり)
II度
安静時は無症状で、日常的な身体活動により疲労・動悸・呼吸困難・狭心痛を生じる段階。「歩行時に症状が出る」を通常の速さでの平地歩行、すなわち日常的な労作と読めばII度に該当する。
✓ 3. 正しい(複数正解の措置あり)
Ⅲ度
安静時は無症状だが、日常的な身体活動よりも軽い労作で症状を生じる段階。「歩行時に症状が出る」を平地をゆっくり短距離歩いただけで息切れする状態と読めばIII度に該当する。この読み方も成り立つため、2とともに正解とされた。
✗ 1. 誤り
I度
I度は心疾患はあるが身体活動に制限がなく、日常的な身体活動では疲労・動悸・呼吸困難・狭心痛を生じない段階。歩行で症状が出ている時点でI度には当てはまらない。
✗ 4. 誤り
IV 度
IV度は心疾患のためにいかなる身体活動も制限され、安静時にも心不全症状や狭心痛が存在する段階。本問の患者は歩行という労作で症状が出ており、安静時症状の記載がないためIV度には当たらない。
ポイント
  • NYHA分類はどの程度の労作で症状が出るかで心機能を4段階に分ける。
  • I度=日常労作で無症状、II度=日常労作で症状、III度=日常より軽い労作で症状、IV度=安静時にも症状。
  • II度とIII度の境目は労作の重さ。安静時症状の有無がIV度を分ける決め手。
  • 本問は労作の程度を示す情報が不足していたため、2と3の複数正解とされた。
  • 問題文では「通常の速さで」「ゆっくり」「○m歩くと」などの修飾語が判定の手がかりになる。
比較表
分類身体活動の制限症状が出る場面安静時症状
I度制限なし日常的な身体活動では症状なしなし
II度軽度〜中等度日常的な身体活動(通常の歩行、階段昇降など)なし
III度高度日常より軽い労作(ゆっくりした平地歩行、着替えなど)なし
IV度あらゆる活動が制限わずかな労作でも増悪あり(心不全症状・狭心痛)
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