学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §13 主要な疾患 呼吸器疾患 / QJ26P035

理由で解く 柔道整復師

QJ26P035 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問35
問題
肺気腫で正しいのはどれか。
選択肢
1 横隔膜は挙上する。
2 1秒率は低下しない。
3 禁煙が重要である。
4 在宅酸素療法は行わない。
解答
正解3(禁煙が重要である。)
解説

肺気腫の最大の危険因子は喫煙で、進行を抑えるうえで最も確実な手段は禁煙です。正しいのは3です。

肺気腫は終末細気管支より末梢の気腔が破壊されて不可逆的に拡大した状態で、慢性閉塞性肺疾患の中心的な病態です。肺胞壁の破壊で気道を外側から引っぱる力(放射状牽引)が失われ、呼気時に末梢気道が虚脱して息を吐ききれなくなるため、残気量が増えて肺が過膨張します。その結果、横隔膜は押し下げられて平低化し、胸郭は樽状胸となり、打診では過共鳴音、聴診では呼吸音減弱を認めます。呼吸機能検査では1秒率が70%未満に低下する閉塞性換気障害を示します。破壊された肺胞は元に戻らないため、治療の柱は進行を止めることで、禁煙が最優先です。あわせて気管支拡張薬、呼吸リハビリテーション、口すぼめ呼吸の指導、インフルエンザ・肺炎球菌ワクチンによる増悪予防を行い、慢性呼吸不全に至れば在宅酸素療法を導入します。

✓ 3. 正しい
禁煙が重要である。
喫煙が最大の危険因子であり、禁煙は病期を問わず進行を抑える最も有効な介入です。破壊された肺胞は再生しないため、早期の禁煙支援が要になります。
✗ 1. 誤り
横隔膜は挙上する。
肺の過膨張により横隔膜は押し下げられて低位・平低化します。挙上ではなく下降です。平低化した横隔膜は収縮効率が落ち、呼吸仕事量が増えます。
✗ 2. 誤り
1秒率は低下しない。
末梢気道の虚脱により呼出が障害され、1秒率は70%未満に低下します(閉塞性換気障害)。肺活量が減って1秒率が保たれるのは拘束性換気障害の方です。
✗ 4. 誤り
在宅酸素療法は行わない。
慢性呼吸不全に至った症例では在宅酸素療法が適応となり、生命予後と生活の質の改善が期待できます。適応の判断と導入は医療機関で行います。
ポイント
  • 肺気腫=終末細気管支より末梢の気腔の破壊・拡大。最大の危険因子は喫煙。
  • 閉塞性換気障害で1秒率70%未満。残気量増加、肺拡散能低下。
  • 身体所見:樽状胸、横隔膜の平低化・低位、打診で過共鳴音、呼吸音減弱、口すぼめ呼吸。
  • 治療の柱は禁煙。加えて気管支拡張薬、呼吸リハビリテーション、ワクチンによる増悪予防。
  • 慢性呼吸不全では在宅酸素療法(HOT)を導入する。
比較表
項目閉塞性換気障害(肺気腫・COPD)拘束性換気障害(間質性肺炎など)
1秒率70%未満に低下保たれる
%肺活量保たれることが多い80%未満に低下
残気量増加減少
胸郭・横隔膜樽状胸、横隔膜平低化著変なし
打診音過共鳴音清音〜やや濁音
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