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理由で解く 柔道整復師

QJ26P024 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問24
問題
意識障害の評価に用いられるのはどれか。
選択肢
1 前頭葉機能バッテリー(FAB)
2 Japan Coma Scale (3-3-9度方式)
3 Mini-mental state examination(MMSE)
4 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
解答
正解2(Japan Coma Scale (3-3-9度方式))
解説

意識障害の評価に用いられるのはJapan Coma Scale(JCS、3-3-9度方式)である。ほかの3つはいずれも意識が保たれている人に行う認知機能・高次脳機能の検査で、測っている対象が違う。

意識は「覚醒しているか(覚醒度)」と「周囲を正しく認識できているか(認識内容)」の2つの側面からなり、意識障害の評価とは主に前者の覚醒度を測ることを指す。JCSは刺激に対する覚醒の程度で3段階に大別し、1桁は刺激なしで覚醒している状態、2桁は刺激を加えると覚醒する状態、3桁は刺激を加えても覚醒しない状態とし、各桁をさらに3段階に分けるので3-3-9度方式と呼ばれる。JCS100であれば「痛み刺激に対して払いのける動作をする」というように数字が大きいほど重症で、桁を答えるだけでも重症度が伝わるのが利点である。国際的にはGlasgow Coma Scale(GCS)が用いられ、開眼・最良言語反応・最良運動反応の3項目を合計3〜15点で表す。一方、MMSE・HDS-R・FABは質問に答えたり課題を実行したりする検査なので、被検者が覚醒していることが前提であり、意識障害があると実施そのものができない。「覚醒しているかを測るのがJCS・GCS、覚醒したうえで中身を測るのがMMSE・HDS-R・FAB」という整理がこの問題の核心である。施術所で意識レベルの低下に気づいたときは、JCSの桁で状態を把握し、バイタルサインを確認したうえで救急要請し、経過を記録して引き継ぐ流れをとる。

✓ 2. 正しい
Japan Coma Scale (3-3-9度方式)
刺激に対する覚醒の程度で意識レベルを評価する、日本で広く使われる意識障害の指標。1桁(覚醒している)・2桁(刺激で覚醒する)・3桁(刺激でも覚醒しない)に大別し、各桁を3段階に分けるため3-3-9度方式と呼ばれる。設問が求める意識障害の評価法はこれ。
✗ 1. 誤り
前頭葉機能バッテリー(FAB)
前頭葉機能、とくに概念化・思考の柔軟性・行動プログラム・抑制制御といった遂行機能を評価する検査。前頭側頭型認知症などの評価に用いるもので、覚醒度を測る道具ではない。
✗ 3. 誤り
Mini-mental state examination(MMSE)
見当識、記銘・想起、計算、言語、図形模写などを問う30点満点の認知機能スクリーニング検査。国際的に広く使われるが、対象は認知機能であり意識レベルではない。
✗ 4. 誤り
長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
日本で開発された30点満点の認知症スクリーニング検査で、記憶を中心に見当識・語想起などを評価する。質問に答えられることが前提であり、意識障害の評価には使えない。
ポイント
  • 意識障害=覚醒度の障害。評価にはJCS(3-3-9度方式)とGCSを用いる。
  • JCSは1桁=覚醒している、2桁=刺激で覚醒、3桁=刺激でも覚醒しない。数字が大きいほど重症。
  • GCSは開眼・最良言語反応・最良運動反応の3項目、合計3〜15点。国際的に使用される。
  • MMSE・HDS-Rは認知機能、FABは前頭葉の遂行機能の検査。いずれも覚醒していることが前提
  • 意識レベル低下に気づいたら桁で重症度を把握し、バイタルを確認して速やかに救急要請する。
比較表
評価法測るもの内容・点数
JCS(3-3-9度方式)意識レベル(覚醒度)1桁/2桁/3桁の3段階×3、数字が大きいほど重症
GCS意識レベル(覚醒度)開眼・言語・運動の3項目、合計3〜15点
MMSE認知機能見当識・記憶・計算・言語・図形模写など、30点満点
HDS-R認知機能記憶を中心とした質問式、30点満点
FAB前頭葉機能(遂行機能)概念化・柔軟性・抑制制御など6課題
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