学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ26P023
理由で解く 柔道整復師
関節リウマチは滑膜の慢性炎症が関節を内側から壊していく疾患で、手ではMP(中手指節)関節で手指がそろって小指側へ流れる手指尺側偏位が代表的な変形である。
増殖した滑膜組織(パンヌス)が関節軟骨と骨を侵し、同時に関節包・靱帯・腱の支持性を緩めるため、関節の並びを保てなくなる。MP関節ではもともと伸筋腱が尺側へ滑りやすい構造をしており、把握やつまみ動作のたびに指を尺側へ押す力が加わることも重なって、支持組織が緩むと手指が一斉に小指側へ偏位する。同じ機序でスワンネック変形、ボタン穴変形、母指のZ変形、高度な骨吸収によるムチランス変形などが生じる。つまり関節リウマチの手の変形は関節そのものの破壊によるものであり、神経の麻痺で筋がやせて起こる変形(猿手・鷲手)や、全身の低酸素状態を映す指趾末端の変形(太鼓ばち指)とは成り立ちがまったく違う。手の変形を問われたら「関節が壊れたのか、神経がやられたのか、全身状態の反映か」の3つに仕分けると確実に選べる。臨床では変形の進行を防ぐことが第一なので、炎症期の関節に無理な矯正力を加えず、装具や生活動作の工夫(把持動作で尺側へ力をかけない持ち方など)を指導し、薬物治療は主治医と連携して継続してもらう。
| 変形 | 原因のタイプ | 代表的な原因 | 見分けるポイント |
|---|---|---|---|
| 手指尺側偏位 | 関節破壊 | 関節リウマチ | MP関節で第2〜5指が一斉に小指側へ流れる |
| 猿手 | 神経麻痺 | 正中神経麻痺 | 母指球の萎縮、母指対立不能 |
| 鷲手 | 神経麻痺 | 尺骨神経麻痺 | 骨間筋の萎縮、MP過伸展+IP屈曲 |
| 太鼓ばち指 | 全身状態の反映 | 慢性肺疾患、チアノーゼ性心疾患など | 指趾末節の膨隆と爪の彎曲。関節は変形しない |
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