学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ26P022

理由で解く 柔道整復師

QJ26P022 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問22
問題
生理的な脊柱の弯曲はどれか。
選択肢
1 頸椎前弯
2 胸椎前弯
3 胸椎側弯
4 腰椎後弯
解答
正解1(頸椎前弯)
解説

脊柱の生理的な弯曲は矢状面(横から見た面)だけに存在し、上から頸椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯・仙椎後弯の4つがS字を描く。前額面(正面から見た面)の弯曲、すなわち側弯は生理的には存在しない。

胎生期の脊柱は全体が1つの後弯にまとまっており、この形がそのまま残ったのが胸椎後弯と仙椎後弯で、一次弯曲と呼ばれる。生後3〜4か月ごろ、腹臥位で頭部を持ち上げる動作を繰り返すうちに頸椎が前弯し、1歳前後で立位・歩行を始めると体幹の重心を支えるために腰椎が前弯する。この2つが後天的に獲得される二次弯曲である。前弯と後弯が交互に並ぶことで脊柱は1本の棒ではなくばねとして働き、頭部の重量と歩行時の床反力を分散できる。したがって「頸椎と腰椎は前弯、胸椎と仙椎は後弯」と対で覚えておき、これと逆向きの弯曲(胸椎前弯・腰椎後弯)や前額面の弯曲(側弯)が出てきたら病態を指す名称だと判断すれば、この種の問題は迷わずに解ける。

✓ 1. 正しい
頸椎前弯
頸椎は生理的に前弯する。乳児が頭部を持ち上げる過程で獲得される二次弯曲で、成人でも保たれており、頭部の重量を効率よく支える役割を担う。4つの選択肢のうち唯一、正常な脊柱の形をそのまま述べている。
✗ 2. 誤り
胸椎前弯
胸椎は生理的には後弯である。胎生期からの一次弯曲がそのまま残った部位で、後弯が失われて平坦化・前弯化した状態は平背(フラットバック)と呼ばれ、正常な形ではない。
✗ 3. 誤り
胸椎側弯
前額面での弯曲は生理的には存在しない。胸椎が側方に弯曲し椎体の回旋を伴う状態は脊柱側弯症という病態で、前屈テストで肋骨隆起(ハンプ)の左右差を確認し、疑わしければ整形外科での画像評価につなげる対象となる。
✗ 4. 誤り
腰椎後弯
腰椎は生理的には前弯である。腰椎の前弯が失われて後弯化するのは、骨粗鬆症による椎体圧迫骨折や加齢に伴う傍脊柱筋の筋力低下などによる腰椎後弯症で、円背や体幹前傾の原因となる。予防としては椎体骨折の管理と体幹伸筋の筋力維持が要点になる。
ポイント
  • 生理的弯曲は矢状面のみ。上から順に 頸椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯・仙椎後弯 の4つ。
  • 一次弯曲=胎生期からの後弯(胸椎・仙椎)、二次弯曲=生後に獲得する前弯(頸椎・腰椎)。
  • 頸椎前弯は頸定(生後3〜4か月)、腰椎前弯は立位・歩行の開始とともに完成する。
  • 前額面の弯曲(側弯)は生理的には存在せず、椎体の回旋を伴えば脊柱側弯症。
  • 交互のS字カーブが衝撃吸収のばねとして働く。逆向きの弯曲名(胸椎前弯・腰椎後弯)は病態を指す。
比較表
部位生理的弯曲一次/二次成立する時期
頸椎前弯二次弯曲生後3〜4か月(頭部を持ち上げる動作)
胸椎後弯一次弯曲胎生期から
腰椎前弯二次弯曲1歳前後(立位・歩行の開始)
仙椎後弯一次弯曲胎生期から
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。