学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §9 臨床実地問題 / QJ26P021
理由で解く 柔道整復師
肘関節屈曲4・手関節背屈4・肘関節伸展0・握力0kgという所見は、C6残存レベルを示す。握れなくても手掌の摩擦でハンドリムを押せるよう、滑り止めのゴムを巻いて車椅子駆動を練習するのが適切。
徒手筋力テストの所見を支配神経レベルに置き換えると残存レベルが決まる。肘屈曲を担う上腕二頭筋・腕橈骨筋はC5〜C6、手関節背屈を担う長・短橈側手根伸筋はC6、肘伸展の上腕三頭筋はC7、手指の屈筋はC8。本症例は手関節背屈まで働き肘伸展が0なので、残存レベルはC6と判定できる。C6では手指の屈筋が麻痺して握力は出ないが、手関節を背屈させると指が受動的に屈曲する腱固定作用(テノデーシスアクション)と、手掌をハンドリムに押しつけたときの摩擦を利用することで、平地であれば車椅子を自走できる。ハンドリムに摩擦材(ゴム)を巻く、あるいは滑り止め付きの手袋を使うと押す力が伝わりやすくなり、駆動効率が上がる。一方、肘伸展筋が働かない段階ではプッシュアップ、坂道の駆動、キャスター上げといった「上肢で押し切る」動作は当面の目標にならない。まず平地駆動を安定させ、トランスファーボードなどを併用した移乗を段階的に進めるのが現実的な組み立てになる。
| 検査所見 | 主な支配レベル | 本症例の結果 | 判定への意味 |
|---|---|---|---|
| 肘関節屈曲 MMT4 | C5〜C6 | 機能あり | C5レベルまでは機能が残っている |
| 手関節背屈 MMT4 | C6 | 機能あり | 残存はC6まで |
| 肘関節伸展 MMT0 | C7 | 機能なし | C7レベル以降(より尾側)は障害されている |
| 握力 0kg | C8 | 機能なし | C8レベルは障害、手指の把持は不能 |
| → 残存レベルはC6。平地での車椅子自走を当面の目標とする。 | |||
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