学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §7 リハビリテーションの実際 / QJ26P017
理由で解く 柔道整復師
脳卒中の障害は、脳病変そのものによって発症と同時に現れる「同時性障害」と、その後の経過のなかで二次的に加わる「経時性障害」に分けて整理する。ここでは嚥下障害(1)と失認症(4)が同時性障害にあたる。
同時性障害は、損なわれた脳部位の機能がそのまま失われたもので、片麻痺・感覚障害・失語・失認・失行・嚥下障害などが該当し、発症直後にほぼ出そろう。これに対し経時性障害は、麻痺や臥床・不使用、あるいは加齢変化を土台にして二次的に加わる障害で、褥瘡・関節拘縮・廃用性筋萎縮・起立性低血圧・骨粗鬆症・深部静脈血栓症などが並ぶ(廃用症候群として括られることが多い)。ただし加わる速さは一様ではなく、褥瘡のように圧迫が2時間を超えれば急性期でも生じうるものから、関節拘縮・廃用性筋萎縮のように週〜月単位、変形性脊椎症のように年単位で進むものまで幅がある。要は「時間の長短」ではなく「脳の損傷そのものによるか、二次的に加わったか」で線を引く。両者を区別する意味は、対応の方向がまったく違う点にある。同時性障害には機能回復訓練と代償手段の獲得を組み立て、経時性障害には早期離床・2時間ごとを目安とした体位変換と除圧・関節可動域訓練・良肢位保持といった予防を最優先で進める。選択肢を見たら「脳が壊れたその瞬間に生じたか」「二次的に後から加わったか」で二分するのが最短の解き方である。
| 同時性障害(一次性) | 経時性障害(二次性・廃用) | |
|---|---|---|
| 成り立ち | 脳の損傷そのものによる機能喪失 | 麻痺・臥床・不使用や加齢変化の積み重ね |
| 出現時期 | 発症と同時(急性期に出そろう) | 発症後に二次的に加わる(褥瘡は数時間〜日単位、拘縮・廃用は週〜月、退行変性は年単位) |
| 代表例 | 片麻痺、感覚障害、失語、失認、失行、嚥下障害 | 褥瘡、関節拘縮、廃用性筋萎縮、起立性低血圧、骨粗鬆症、深部静脈血栓症 |
| 主な対応 | 機能回復訓練、代償手段・自助具の獲得、環境調整 | 早期離床、2時間ごとを目安とした体位変換・除圧、関節可動域訓練、良肢位保持 |
| 予防の可否 | 発症そのものの予防が中心(再発予防・危険因子管理) | ケアで大きく予防できる=予防が最優先 |
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