学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §3 リハビリテーション医学の基礎医学 / QJ26P015

理由で解く 柔道整復師

QJ26P015 リハビリテーション医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問15
問題
下肢筋力増強のための仰臥位での膝伸展位下肢挙上、訓練で大腿広筋群の筋収縮はどれか。
選択肢
1 等尺性筋収縮
2 等張性筋収縮
3 遠心性筋収縮
4 求心性筋収縮
解答
正解1(等尺性筋収縮)
解説

膝を伸ばしたまま下肢を持ち上げるSLR(下肢伸展挙上)訓練では、大腿広筋群は膝を伸展位に保ち続けるだけで筋の長さが変わらない。したがって等尺性筋収縮である。

大腿広筋群(内側広筋・外側広筋・中間広筋)は膝関節だけをまたぐ単関節筋で、作用は膝関節の伸展のみ。SLRでは股関節が屈曲していくものの、膝関節の角度は伸展位のまま一定に保たれるため、広筋群は張力を発生しながら長さを変えない。これが等尺性収縮(isometric contraction)である。関節を動かさずに筋力を高められるので、術後や炎症期など関節へ負担をかけたくない時期の大腿四頭筋訓練として広く用いられる。このとき股関節を屈曲させている腸腰筋・大腿直筋・縫工筋などは短縮しながら力を出す求心性収縮をしており、「どの筋について問われているか」で答えが変わる点に注意したい。設問は大腿広筋群についてなので、股関節の動きに引きずられず膝関節が動いていないことに着目する。

✓ 1. 正しい
等尺性筋収縮
膝関節の角度が変わらないため広筋群の長さは一定のまま。長さを変えずに張力だけを発生させる等尺性収縮となる。関節運動を伴わないので固定期や急性期でも実施しやすい。
✗ 2. 誤り
等張性筋収縮
等張性収縮は張力をほぼ一定に保ちながら筋長が変化する収縮で、関節が動くことが前提。SLRでは膝関節が動かないため当てはまらない。膝伸展運動(レッグエクステンション)なら等張性収縮になる。
✗ 3. 誤り
遠心性筋収縮
外力に抗しながら筋が引き伸ばされる収縮で、階段を下りるときの大腿四頭筋が代表例。SLRの挙上中に広筋群が引き伸ばされる場面はない。
✗ 4. 誤り
求心性筋収縮
筋が短縮しながら張力を出す収縮。SLRで求心性に働いているのは股関節を屈曲させる腸腰筋・大腿直筋などであり、膝だけをまたぐ広筋群ではない。
ポイント
  • 大腿広筋群(内側・外側・中間広筋)は膝だけをまたぐ単関節筋で、作用は膝伸展のみ。
  • SLRでは膝関節角度が変わらない=筋長一定=等尺性収縮。
  • 等張性収縮は筋長が変化する収縮で、短縮するのが求心性、伸ばされるのが遠心性。
  • SLR中に求心性に働くのは股関節屈筋群(腸腰筋・大腿直筋など)。問われている筋を取り違えない。
  • 関節を動かさずに筋力を維持できるため、術後・炎症期・固定期の大腿四頭筋訓練に適する。
比較表
収縮様式筋の長さ関節運動
等尺性収縮変わらないなしSLR時の大腿広筋群、壁を押す動作
等張性収縮(求心性)短くなるあり階段を上るときの大腿四頭筋
等張性収縮(遠心性)引き伸ばされるあり階段を下りるときの大腿四頭筋
等速性収縮変化する一定の角速度で動く専用機器を用いた筋力訓練・測定
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。