学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §8 免疫異常・アレルギー / QJ26A104

理由で解く 柔道整復師

QJ26A104 病理学概論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問104
問題
抗原感作されたTリンパ球によって起こり細胞性免疫反応とも呼ばれるアレルギーはどれか。
選択肢
1 刺激型反応
2 遅延型反応
3 細胞傷害型反応
4 免疫複合体型反応
解答
正解2(遅延型反応)
解説

抗原に感作されたTリンパ球が主役となり、抗体を介さないために細胞性免疫反応とも呼ばれるのは、クームスとゲルの分類のⅣ型、すなわち遅延型反応である。

アレルギーは、どの分子が主役かで整理すると一気に見通しがよくなる。Ⅰ〜Ⅲ型はいずれも抗体(液性免疫)が主役である。Ⅰ型(アナフィラキシー型)はIgEが肥満細胞に結合し、抗原と出会うとヒスタミンなどが放出されて数分で反応が起こる。Ⅱ型(細胞傷害型)は細胞表面の抗原にIgG・IgMが結合し、補体やナチュラルキラー細胞が標的細胞を破壊する。Ⅲ型(免疫複合体型)は抗原抗体複合体が組織に沈着し、補体の活性化と好中球の集積で組織が傷害される。これに対しⅣ型は、抗原提示を受けて感作されたTリンパ球(主にCD4陽性のTh1細胞)がサイトカインを放出してマクロファージを呼び集め活性化する反応で、抗体も補体も関与しない。細胞が担うので細胞性免疫と呼ばれ、反応のピークが抗原に触れてから24〜48時間後と遅いことから遅延型過敏症と名づけられた。ツベルクリン反応、金属や漆による接触性皮膚炎、移植拒絶反応、そして結核などの肉芽腫性炎がこの型にあたる。

✓ 2. 正しい
遅延型反応
Ⅳ型アレルギー。感作Tリンパ球がサイトカインを介してマクロファージを活性化する細胞性免疫反応で、抗体は関与しない。反応は24〜48時間でピークとなる。ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植拒絶反応、肉芽腫形成が代表である。
✗ 1. 誤り
刺激型反応
Ⅴ型に分類される反応で、受容体に対する自己抗体が受容体を刺激し続けて機能を亢進させる。抗TSH受容体抗体により甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドウ病が代表である。主役は抗体であり、Tリンパ球による細胞性免疫ではない。
✗ 3. 誤り
細胞傷害型反応
Ⅱ型アレルギー。細胞表面の抗原にIgG・IgMが結合し、補体やナチュラルキラー細胞が細胞を破壊する。不適合輸血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群が代表で、抗体が主役の液性免疫である。
✗ 4. 誤り
免疫複合体型反応
Ⅲ型アレルギー。抗原抗体複合体が血管壁や糸球体基底膜に沈着し、補体活性化と好中球の集積によって組織が傷害される。血清病、急性糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、アルサス反応が代表で、これも抗体が主役である。
ポイント
  • Ⅳ型=遅延型=細胞性免疫。主役は感作Tリンパ球とマクロファージ。抗体・補体は関与しない。
  • Ⅳ型の代表:ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植拒絶反応、肉芽腫性炎。ピークは24〜48時間後。
  • Ⅰ〜Ⅲ型は抗体(液性免疫)が主役。Ⅰ型=IgEと肥満細胞、Ⅱ型=IgG/IgMと補体、Ⅲ型=免疫複合体。
  • Ⅴ型(刺激型)は受容体に対する自己抗体。バセドウ病が代表。
  • 「感作Tリンパ球」「細胞性免疫」「遅延型」の三語はセットで結びつける。
比較表
別名主役発現までの時間代表疾患
Ⅰ型アナフィラキシー型(即時型)IgE・肥満細胞数分気管支喘息、蕁麻疹、花粉症、アナフィラキシーショック
Ⅱ型細胞傷害型IgG・IgM・補体数分〜数時間不適合輸血、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症
Ⅲ型免疫複合体型抗原抗体複合体・補体・好中球数時間血清病、急性糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス
Ⅳ型遅延型(細胞性免疫)感作Tリンパ球・マクロファージ24〜48時間ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植拒絶反応
Ⅴ型刺激型受容体に対する自己抗体持続的バセドウ病
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