学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §8 免疫異常・アレルギー / QJ25A103

理由で解く 柔道整復師

QJ25A103 病理学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問103
問題
花粉症に関連するのはどれか。
選択肢
1 アレルゲン特異的IgE 抗体
2 免疫複合体の沈着
3 細胞性免疫反応
4 自己抗体
解答
正解1(アレルゲン特異的IgE 抗体)
解説

花粉症は即時型(Ⅰ型)アレルギーの代表で、アレルゲン特異的IgE抗体が肥満細胞に結合し、再曝露で脱顆粒が起こることで症状が出ます。

初回の曝露では、取り込まれた花粉抗原をもとにTh2細胞がB細胞を助け、その花粉に特異的なIgEが産生されます。産生されたIgEは鼻粘膜や結膜の肥満細胞、血中の好塩基球の表面にあるFcε受容体に結合し、この段階を感作といいます。次に同じ花粉が入ると、細胞表面のIgEが抗原によって架橋され、ヒスタミンやロイコトリエン、プロスタグランジンが放出されます。これらが血管透過性亢進、平滑筋収縮、腺分泌亢進、知覚神経刺激を引き起こし、数分以内にくしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉・眼のかゆみが現れます。同じⅠ型には気管支喘息、蕁麻疹、アナフィラキシーがあり、いずれも反応が速いことが共通点です。

✓ 1. 正しい
アレルゲン特異的IgE 抗体
肥満細胞に結合したアレルゲン特異的IgEが抗原で架橋され、化学伝達物質が放出されて症状が出ます。Ⅰ型アレルギーの中心的な担い手であり、これが正答です。
✗ 2. 誤り
免疫複合体の沈着
抗原抗体複合体が組織に沈着して補体を活性化するのはⅢ型アレルギーです。血清病、急性糸球体腎炎、全身性エリテマトーデスがこれにあたります。
✗ 3. 誤り
細胞性免疫反応
感作T細胞とマクロファージが主役になるのはⅣ型(遅延型)アレルギーで、反応が現れるまで24〜48時間かかります。ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植拒絶反応が代表です。
✗ 4. 誤り
自己抗体
自己の細胞や組織に対する抗体が主役になるのは自己免疫疾患で、Ⅱ型(自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症)やⅤ型(バセドウ病)に分類されます。花粉症の抗原は体外由来の花粉です。
ポイント
  • 花粉症=Ⅰ型(即時型・アナフィラキシー型)アレルギー。担い手はIgEと肥満細胞
  • 流れは「感作(IgEが肥満細胞に結合)→ 再曝露 → IgE架橋 → 脱顆粒 → ヒスタミン等の放出」
  • Ⅰ型の仲間:気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショック
  • Ⅱ型=細胞傷害型(自己抗体)、Ⅲ型=免疫複合体型、Ⅳ型=遅延型(細胞性免疫)と型番で整理する
  • 施術前の問診でアレルギー歴を確認し、ラテックスや外用薬による反応にも備える
比較表
別名主役発現時間代表疾患
Ⅰ型即時型・アナフィラキシー型IgE、肥満細胞数分花粉症、気管支喘息、蕁麻疹
Ⅱ型細胞傷害型IgG・IgM(自己抗体)、補体数分〜数時間自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症
Ⅲ型免疫複合体型免疫複合体、補体数時間血清病、急性糸球体腎炎、SLE
Ⅳ型遅延型感作T細胞、マクロファージ24〜48時間ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植拒絶
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