学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §9 腫瘍 / QJ25A104
理由で解く 柔道整復師
正解は2。生前はまったく症状を出さず、病理解剖(剖検)で初めて見つかった癌をラテント癌(latent cancer)という。前立腺癌・甲状腺癌が代表例。
本問は「癌の呼び名の定義」を問う選択肢1・2と、「人名のついた転移の転移先・経路」を問う選択肢3・4の2系統からなる。前者は、早期癌=深達度による定義(定義は臓器ごとに定められている)、ラテント癌=剖検で初めて判明する癌、という定義そのものを覚えているかどうかで決まる。後者は名称・転移先・経路の3点セットで照合する。転移の経路はリンパ行性・血行性・播種性の3つで、胃癌の有名な転移でいえば、左鎖骨上窩リンパ節へのウィルヒョウ転移は転移先がリンパ節・経路がリンパ行性、ダグラス窩(直腸子宮窩・直腸膀胱窩)へのシュニッツラー転移は転移先がダグラス窩・経路が腹膜播種、クルッケンベルグ腫瘍は転移先が卵巣で、経路は腹膜播種のほかリンパ行性・血行性も想定され一義には決まらない。この3つ目だけ経路が確定しない点も含めて、名前・転移先・経路の3列の表を自分で書き出して覚えるのが確実である。なお「早期癌」は深達度(どこまで深く入ったか)で決まる呼び名であり、T・N・Mを合わせて決めるTNM分類の病期(ステージ)とは別のものさしである点も押さえておきたい。
| 名称 | 主な転移先 | 経路 | 覚えどころ |
|---|---|---|---|
| ウィルヒョウ転移 | 左鎖骨上窩リンパ節 | リンパ行性 | 胸管を経て左鎖骨上へ。触診で硬いリンパ節 |
| シュニッツラー転移 | ダグラス窩(直腸子宮窩・直腸膀胱窩) | 播種性(腹膜播種) | 腹腔内の最も低い場所に落ちる。直腸診で触れる |
| クルッケンベルグ腫瘍 (=クルーケンベルグ) | 卵巣(両側性が多い) | 一義に決まらない(腹膜播種のほかリンパ行性・血行性も想定される) | 印環細胞癌の像。経路が1つに定まらない点が上2つとの違い |
| 用語 | 定義 | 発見のされ方 |
|---|---|---|
| ラテント癌(latent cancer) | 生前に症状・所見を示さない癌 | 病理解剖で初めて判明 |
| オカルト癌(occult cancer) | 原発巣が微小・不明で転移巣が目立つ癌 | 生前に転移巣から発見される |
| 早期癌 | 臓器ごとに定義。胃・大腸では浸潤が粘膜下層までにとどまるもの(リンパ節転移の有無を問わない) | 内視鏡・生検などで診断 |
※ラテント癌・オカルト癌の和訳(潜在癌/潜伏癌)は文献により対応が入れ替わるため、英語名と定義で覚える。早期癌のT分類・病期は臓器と深達度で変わる(例:早期胃癌はT1、N0M0ならI期/大腸の粘膜内癌はTisで、N0M0なら0期)。
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